本研究は、グローバル人材に求められる能力の一つとして文部科学省の提唱している学士力の「汎用的技能」および産業経済省が提唱している「考え抜く力」の両方に含まれる、「思考力」に着眼し、CLIL(内容言語統合型学習)授業で思考力の育成を促すアクティビティについて提案することを目標の一つとした。研究の結果、日本人大学生が苦手とする批判的思考のスキルを特定することができた。また、その日本人大学生が苦手とする批判的思考力を向上させるためのトレーニング・モジュールを開発し、指導したところ、指導後は指導前よりも批判的思考力が向上し、指導は有用であった。さらに、実験群と統制群の事前・事後テストを比較した結果、統制群には批判的思考力の有意な向上は見られず、指導することにより、批判的思考態度と批判的思考力が向上することを確認した。 研究結果は、国内・海外の学会で発表した。また、批判的思考の向上に役立つアクティビティーを紹介するワークショップを実施した。
|