研究課題/領域番号 |
15K02709
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
趙 秀敏 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 講師 (60733079)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 大学初修中国語 / ブレンディッドラーニング / スマートフォン / 復習教材 / 教材設計 / インストラクショナルデザイン / Microlearning / 連結主義 (Connectivism) 学習理論 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、スマートフォンを利用した学習形態、スマートフォンの特性、初修中国語復習における活用について分析を行い、これに基づいて初修中国語ブレンディッドラーニング用スマートフォン復習教材の設計方針を提案した。 (1)スマートフォンを利用した学習形態は、インターネットを基盤とするデジタル環境を前提とし、小さな端末を用いて、主に小さな学習分量、短い時間による学習となり、またこうした学習には、デジタル化した学習方式で、小さなコンテンツと小さなメディアによる新たな形態であるMicrolearningが適していることを明らかにし、さらにそれが分散知の連結及び社会ネット関係の中で学習者間の協働による学習を掲げる連結主義(Connectivism)と密接に関連することを示唆した。 (2)スマートフォンの特性を分析し、大学初修中国語復習教材における活用については、SNSとの連携性、模範音声との比較可能な録音機能、発音学習に利用可能な音声認識機能、ゲーム的要素を取り入れた練習機能、学習を促すプッシュ通知機能等が、特に有効であることを示した。ここで重要なのは、初修中国語スマートフォン復習教材の設計理念として、新たな学習形態であるMicrolearningやそれと関連する連結主義に着目し、これらを理論的な背景として取り上げた点である。 (3)Microlearningの設計原則を踏まえ、明らかにした初修中国語復習に有効なスマートフォンの機能を活用し、大学初修中国語ブレンディッドラーニング用スマートフォン復習教材の設計方針として、各練習形式及び動機づけ設計方略を提案した。例えば、単語練習では、漢字(簡体字)と発音(ピンイン表記)のマッチングゲーム、簡体字とピンイン表記カードによる神経衰弱ゲームの設計、またSNSを活用した協働学習として、寸劇の作成と発表を行う学習活動についての設計等である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度は、スマートフォンを利用した学習形態、スマートフォンの特性及び初修中国語復習に有効な機能を明らかにするとともに、Microlearningの設計原則を踏まえ、研究計画通りに教材設計方針を明らかにすることができた。一方、一部教材の詳細な設計は、平成28年度の実教材の開発及び学習管理システムの構築に付随して具体化可能となる部分があるため、今年度に完成することとなる。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度において、Microlearningの設計原則を踏まえて提案された、大学初修中国語ブレンディッドラーニング用スマートフォン復習教材の各練習形式及び動機づけ設計方略に基づき、学習内容・練習形式を最適化させたスマートフォン復習用実教材を開発するとともに、学習管理システムを利用したユビキタス学習環境を構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は、今年度末における分析作業を効率的に行ったことにより、多少の余裕をもって確保していた謝金に余剰が生じたことにより発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額については、平成28年度の研究遂行に必要となる論文投稿や印刷等のための費用に充当して、使用する予定である。
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