研究課題/領域番号 |
15K02710
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
モロス ジャネルルネ 東京医科歯科大学, 国際交流センター, 准教授 (80749771)
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研究分担者 |
關 奈央子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10612690)
木下 淳博 東京医科歯科大学, 図書館情報メディア機構, 教授 (10242207)
須永 昌代 東京医科歯科大学, 図書館情報メディア機構, 助教 (90581611)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 歯科衛生士教育 / 英語教育 / eラーニング |
研究実績の概要 |
これまで蓄積してきた臨床体験型コンピュータシミュレーション教材を進化させ、新たに歯科衛生士を対象とした、グローバル時代に対応した英語による歯科臨床シミュレーション教材の開発を行った。設問、選択肢は英語表記であるが、解説は日本語とし、日本語を母語とする学習者が理解を深められる構成にした。作成した教材は研究者内で内部評価した後、東京医科歯科大学歯学部シミュレーション教材作成小委員会に諮り、レビュー・修正の後、完成とした。教材を歯学部口腔保健学科口腔保健衛生学専攻学生に活用し、教材の教育効果を評価・解析した。歯科衛生士教育における英語による臨床シミュレーション教材5本(電話応対教材(予約・急患等):3本、臨床教材(ブラッシング指導):2本)をeラーニングシステムから配信し、口腔保健衛生学専攻学生に実施させ、教材の内容、流れ、解説で理解しにくかった点、操作性などの項目についてアンケート調査したところ、学習者から高い評価を得た。現在作成している本シリーズの教材は7本にまで数をのばしている。教材は国内外の他大学におけるeラーニングシステム上での実施を前提として開発している。また、教材学習によるアウトカムの評価についても検討を進めている。作成した歯科衛生士向け臨床シミュレーション教材には、歯科英語を学ぶだけではなく、臨床判断・推論能力向上のための内容も含んでいることから、大学や養成機関等で歯科衛生士を目指す学生や、既卒の歯科衛生士にとって、臨床現場での英語を学べる有効な学習手段になると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の予定は、歯科衛生士(またはそれに准ずる者)対象のコンピュータシミュレーション教材作成である。教材をeラーニングシステムから配信し、口腔保健衛生学専攻学生や歯科衛生士教育に携わる教員、歯科衛生士等に実施させて、教材の流れや、解説で理解しにくかった点、英語学習において役に立ったかなどをアンケート調査し、必要があればフィードバックして教材の改訂を行い、新規教材を作成するとしていた。教材を学習した口腔保健衛生学専攻学生からは高い評価を得ており、新規教材開発、アウトカムの評価方法の検討まで予定通り進んでいる。しかし、既卒の歯科衛生士からの評価を得ていないため、次年度では評価を実施する予定であり、研究計画も立案済である。すでに本教育システムと教材の有効性の解析、アウトカムの評価については検討や計画を実行しており、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、医歯学シミュレーション教育システムと歯科衛生士対象のコンピュータシミュレーション教材の有効性の解析を行なう。教材の学習履歴・成績と学習者の職務経験や英語能力等を抽出し、教材が妥当であるか等を調べる。次に学習者に確認テスト等を実施し、実施履歴と確認テストの成績の相関を調べ、本教材での学習効果(有効性)を評価する。 平成29年度は、国外の大学のeラーニングシステムでの運用を行なう。インターネット環境さえあれば、本システムを使用することは世界中何処にいても可能である。ここでは本教材を、解説を含め全て英語にし、日本同様、英語を第二外国語とするが、歯科衛生士(もしくはそれに相当する)業務において今後英語を使用する可能性のある国や、日本における歯科衛生士業務を世界に発信するために、諸外国でも本教材学習や配信を実施する。同様に結果を分析し、国際汎用性の考察を行う。
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