研究課題/領域番号 |
15K02711
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
南 潤珍 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (30316830)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 韓国語教育 / 語彙リスト / 日韓対照 / 語彙内項 / 語の音声的要素 / 用言の活用 / 造語法的特徴 / 多義語 |
研究実績の概要 |
本研究は日本語母語話者に特化した韓国語学習用語彙目録作成のための理論的土台を模索すると同時に成果物として語彙の内的特性を反映した韓国語学習用語彙目録の試作を提示するものである。語彙の内的特性の記述には対照言語学の成果を積極的に取り入れ、その結果を語彙目録のレベルわけに反映させる方法論を探る理論的な研究であり、その結果物を提示することで教材作成、評価、学習者の学習補助など多岐に応用できる実用的な研究である。このような目標を実現するため、2016年度には、以下の研究を行った。 1.韓国語教育用語彙リストを作成するため、2015年度に続き見出しの確定作業を行い、「国際通用韓国語教育の語彙目録」の日本語訳を基準に日本語教育用語彙リストをマッチングさせる作業を行った。その結果、20、000語程度の日韓語彙ペアを得たが、これに基づき教育用語彙を確定するための検討作業を始めまとめの段階に入った。 2.韓国語教育用語彙リスト作成のパイロットリストである「国際通用韓国語教育の語彙目録」に対し、ごの音声情報(音節数、語幹末音)・形態論的情報(活用の規則・不規則、不規則活用の種類・派生語及び複合語など語構成情報)の分析を行った。 3.2015年度の研究結果を台湾(6月)と韓国(8月)の国際学術大会で発表し、学術誌に論文を発表した。論文では、見出しと訳語の提示に止まっている韓国語学習者用語彙リストの現状を検討し、学習者の母語に特化した、語彙内項情報を提供する語彙リストの必要性と要件を実例に基づき提示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では2016年度に実施する予定だった韓国語の教育用語彙リストと日本語の教育用語彙リストの統合作業を201年度に前倒しで行い、その作業が2016年度の上半期まで伸びたため、語彙内項の記述作業を始めるのが少し遅れた。ところが最も時間のかかる見出しの確定作業が完了したため、2017年度の作業で挽回し、当初の目標を達成することが出来ると予想される。
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今後の研究の推進方策 |
1.2016年度に続き、語彙の形態論的特性の記述・コロケーション情報・意味情報の記述を行い、語彙内項の分析作業を完成する。 2. 頻度・語彙内項情報に基づき、語彙のレベル分けを行う。 3. リストをDB化し、結果物を公開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2016年度には作業量が多かったため謝金・物品費の支出が増えた。そして研究成果発表のため国内外の学会に参加したため、旅費の支出が増えた。そして論文投稿にかかる費用をその他として計上していたが、今年度の論文発表においては費用がかからなかったため、14,164円の次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度にも引き続き謝金と旅費及び物品費の使用が予定されているが、2017年度は受領額が今年度より減る。このような事情から、2017年度には今年度の未使用額を含め、直接経費の使用をより計画的に行うように努める。大概の直接経費の予算額の配分は、人件費35万円、旅費20万円、物品費16,4164と予定している。
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