研究課題/領域番号 |
15K02715
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 幸 京都大学, 国際高等教育院, 准教授 (50398187)
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研究分担者 |
金丸 敏幸 京都大学, 国際高等教育院, 准教授 (70435791)
細越 響子 京都府立大学, 文学部, 講師 (40750576)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | EAP / タスク / メタ分析 / 授業設計 / 足場がけ / プラットフォーム |
研究実績の概要 |
本研究では,EAP(English for Academic Purposes:学術目的の英語)教育に焦点をあて,その英語運用能力の向上を目指して,TBLT(Task-Based Language Teaching:タスク重視型言語教育)の研究成果に基づいたEAP教育の実践と教材の充実を図る。この目的を達成するため,平成28年度は以下のことを行った。 1.TBLTのメタ分析に向けた準備:平成27年度に収集したTBLTの枠組みを用いたEAPタスクの事例にタグを付与し,データベース化した。タグは当初予定していた学習目的,対象となる学習者の習熟度,学習環境,目標言語技能,タスクサイクル,内容,期待される学習・教育効果,課題の観点だけでなく,平成27年度から研究を進めている足場がけ(学習補助)の有無と内容,目標言語技能の到達レベルの詳細,タスクの特徴,学習者のタスクへの参加度,教師の役割,学習・教育効果の検証方法も付け加えた。 2.EAPタスクのカリキュラムにおける位置づけの調査・分析:新たなタグとして,カリキュラムやコース全体において,そのEAPタスクがどのように位置づけられているかの観点を取り入れることにした。収集した事例のうち,論文内で言及されていないものについては他の関連論文やオンライン上のシラバスなどを調査して把握できる範囲で,各EAPタスクのカリキュラムやコース全体における学習順や難易度順を調査した。 3.統合型タスクにおける足場がけの効果の検証:平成27年度に引き続き,複数技能の統合的な育成を図るタスクにおいて,どのような足場がけが必要か検討を行った。 4.研究会や学会への参加:研究会や学会での情報収集や意見交換を通じて,研究活動の活性化を図った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の遅延に伴い,平成28年度の研究計画を変更した(平成27年度の研究実施状況報告書に記載)。当初,平成28年度には(1) タグ付けした研究事例をデータベース化し,それを用いてメタ分析を行うこと,(2) メタ分析により,EAPタスクの特徴を把握することを予定していたが,(2)の内容については平成29年度の前半に当該年度の研究と並行して実施することとした。この変更した研究計画通りに,進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は,まずメタ分析を行い,そこからの示唆に基づき, EAPタスクモデルとそのタスクを導入した場合の授業モデルを設計・開発することを予定している。研究代表者らがこれまで作成・蓄積してきたリソース(タスクシートや学習素材,参考資料など)や足場がけの方法,評価のための材料(テストやルーブリックなど)が十分あるため,それらを有効活用することで,一から開発する時間を節約し,研究を効率的に進めたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入した消耗品が予定額より値下がりしたため,端数が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は授業設計や教材開発を予定しており,紙媒体による作業が多くなることが予想される。コピー用紙や文房具などの消耗品の購入に充てたいと考える。
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