本研究では、スマートフォン用の韓国語教育ツールによる授業外時の教育マネジメントの実現するための語学教育ツール開発を目的とした。本ツールには、学生の多様な授業外時の生活においても、きめ細かく教育指導ができる教育マネジメントと、学生に主体的な学びを促す機能とを装備している。本研究と通して、学生に主体的な韓国語学びを体得させること、いわゆる単位の実質化のみならず、教育の質向上にも本研究は寄与できたと考えられる。具体的には、紙媒体の練習問題の運用と音声機能を有するスマートデバイスを学習教材として用いて、聞取り対策授業内・外の双方向型学修と自律学修の両方を目指す教授・学習法を一提案した。その学習教材はADDIEモデルに基づき、現状における研究対象、聞取り対策授業、関連研究の分析結果から、改善すべき課題を明らかにした。それらの課題の解決・実現に向けて、スマートデバイスの学習教材の具体的かつ詳細な設計・開発を行った。提案した学習教材を用いた教授・学習法は、聞取り対策授業内・外に講じられて、学習量拡大、授業中・後の練習問題の準備・採点作業の教員負担の軽減、リアルタイムでのフィードバックなどによって課題解決ができて、本質的な双方向型学修を展開した。聞取り対策授業外では、学習教材により音声CDの不便性がなくなり、自宅以外の日常生活でも気軽に自律学修ができた。このような授業内・外における提案手法の活用に対して、対象の学習者の評価は高かったこともアンケート調査から確かめた。また、個々の学習者がもつ韓国語能力を伸ばすこともできた。一方、実践的な学習の強化、学習意欲の維持、授業外の学習時間の義務化などの改善すべき今後の課題も確かめた。 最後に、本研究は韓国語聞取りを題材にしたが、研究期間で得られた運用技術と学習者の行動パターンは他の学習領域にも適用可能なものであると考えられる。
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