研究課題/領域番号 |
15K02733
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
湯舟 英一 東洋大学, 総合情報学部, 教授 (70339208)
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研究分担者 |
神田 明延 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (10234155)
鈴木 政浩 西武文理大学, サービス経営学部, 准教授 (10316789)
山口 高領 立教女学院短期大学, その他部局等, 専任講師(任期制) (60386555)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 読解速度 / 理解度 / リーダビリティー / 語彙頻度 / 内容理解問題 / 速読 / 音韻符号化 / ウェブテスト |
研究実績の概要 |
英語学習者の英文読解速度を計測するための標準テスト開発の基礎研究を行った。TOEICや英検などの標準テストは、未だに理解度を測るのみであり、読解速度を直接測り客観的な指標で示す標準テストは存在しないため、ICT技術を使いインターネット上で一定量の英文を読むだけで、同じ被験者が何度受験しても一定した結果をフィードバックできる問題の作成に取り組んだ。具体的には、英検準1級、2級、準2級、3級の過去の読解問題から100個選定し、各読解問題の最初の100語程度を利用した。各英文に2問ずつ内容を問う4択問題を付けて合計100問作成した。その後、200人規模のパイロット実験を行い、このテストを検証した。研究グループで内容把握問題の妥当性を話し合い、参加者が読んだ内容を全体的に理解しているか検証した。実験参加者はWebシステムを使い問題に取り組んだ。その後対象者の解答について正答数の平均値を算出した。Readabilityの指標にはMint Grade Level for Japanese Learners(MGJP) (田淵・湯舟, 2016)を採用した。分析の結果,MGJPの数値が約9から15までの7段階のデータが残った。同程度の難易度の長文であっても正答率は大きく異なっていた。正答率の開きはMGJPの数値とは一見関係がないように見える。作問方法や選択肢の設定方法が正答率に影響した可能性もある。このような誤差の出方を見ると,readability指標だけで英文や問題の等質性を担保することができないことがわかる。すなわち、読解問題理解度はテキストの難易度や語彙レベルとの相関はなく、内容理解4択問題の難易度に主に関係することがわかった。
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