研究課題/領域番号 |
15K02742
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
清水 義彦 富山県立大学, 工学部, 准教授 (90548322)
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研究分担者 |
岡崎 浩幸 富山大学, 大学院教職実践開発研究科, 教授 (20436801)
山村 啓人 富山高等専門学校, その他部局等, 講師 (40734421) [辞退]
加納 幹雄 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (70353381)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 海外交流学習 / 英語教育 / ICT活用 / 授業デザイン / Can-doリスト / 意識の変容 / 英語力 |
研究実績の概要 |
本研究が目指すのは、ICT(Information and Communication Technology)を活用して、「学習者が、できるだけ早期に・どこの学校でも・頻繁に・継続的に、生の英語に触れる機会を教室内に作る」ことである。これが学習者への動機づけとなり英語力向上への第1歩と考え、3つの市の小学校、中学校、高等学校12校と協働する。それぞれの市で、小中高の各学校同士が連携し、対象を小学校5年から高校3年(11歳から18歳)の8年間とする。小中高が1つの流れとなる連続的な英語力育成の学習デザインを開発し、「英語への学習動機」と「英語力」に分けて検証する。ICTを活かし、生の英語に触れ、教科書での「学びの成果を試す」機会と同時に「英語を学ぶ意義、必然性に気づく」機会を教室に創りだす。そして学習動機をアクセルに英語力を高める。 研究計画として、平成27、28年度の2年間かけて、アジアの学校とICTを活用した授業実践『アジア太平洋海外交流学習プロジェクト』(Asia Pacific Exchange Collaboration Project)に取り組む富山県内の小中高の学校の募集と授業実践開始と継続できる学校を作ることに力を注いできた。その結果、富山市、滑川市、射水市の3つの市内で小中高の連携の流れを創り出すことができ、28年度末には海外交流学習を実施する枠組み(ハード面)は出来上がった。現在の交流国は、台湾高雄市を中心としている。日本を含めた環太平洋の国々との交流の枠を広げている。 一方、その枠の中でどんな教育実践を行い、児童生徒の意識と英語力を高めるのか、という授業デザイン(ソフト面)の開発にも力を注いだ。高校レベルでは、県立小杉高校が28年度は、海外交流学習を英語授業の年間計画の中に位置づけ、日常的な活動として活用し、その効果を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1つの市内で、この海外交流学習を継続的に実践できる小中高の3つの校種で1つの流れを作ることに時間がかかったが、現在、富山市、滑川市、射水市の3つの市で実践できるめどがついた。海外の交流校としては、台湾の高雄市の小中高校との交流の形が出来上がり、富山県の参加校の9校は高雄市の学校と交流を開始している。このように、28年度は、各学校長はもとより、富山県教育委員会の担当の部局のご理解もいただきながら、3つの校種で、8年間の整合性が通れた海外交流学習を実施する枠組み(ハード面)は出来上がった。 2つ目として、この枠の中でどんな教育実践を行い、児童生徒の意識と英語力を高めるのか、という授業デザイン(ソフト面)の開発にも力を注いできた。そして、英語授業の年間計画の中に位置づけ、週1回の日常的な活動として効果を検証できるまでになった高校がある。交流の形や質の違いはあるが、小学校でも同様に1年間にわたり、リアルタイムでのコミュニケーションも含む海外交流学習を継続できた。29年後は中学校でも同様な流れが出来上がる予定であり、おおむね順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
前述のとおり、27年度、28年度の2年間で、富山市、滑川市、射水市の3つの市内で小中高の連携の流れが出来上がり、8年間の整合性が通れた海外交流学習を実施する枠組み(ハード面)は出来上がった。最終年である29年度は、この枠の中でどんな教育実践を行い、児童生徒の意識と英語力を高めるのか、という授業デザインの開発とその授業の中で活動する児童生徒の達成目標、指針を提示するためにCan-doリストの開発に力を注ぐ。 また、この海外交流学習を年間計画の中に位置づけ、通年で活動を行う適任の中学校が未決のままであったが、28年度末に教育長、校長の理解も得られ、担当教諭も3か月の本校での研修も決まった事案があり、この教諭の研修期間中に、28年度に成果を上げた高校、小学校から学んでいただき遅れを取り戻すことができる予定である。そして、この担当教諭を中心に、小中高の3つの校種で整合性のとれた授業デザインとCan-doリストを製作し、学会で発表し、論文化までもっていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度開催予定の第3回国際シンポジウムの旅費として繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
台湾高雄市などから講師を招へいし、第3回の国際シンポジウムを開催し本プロジェクトの教育効果を公表し、更なる深化を目指し今後の取り組みを策定する。
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