研究課題/領域番号 |
15K02745
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
Jeong Hyeonjeong 東北大学, 加齢医学研究所, JSPS特別研究員(RPD) (60549054)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 言語知識 / 認知メカニズム / 暗示的知識 / 第二言語習得 / fMRI / 英語教育 |
研究実績の概要 |
社会の急速なグローバル化の進展に伴って、情報や考えなどを相手に発信していくための外国語能力を今後一層高めていくことが緊迫の課題である。文部科学省も、日本人に「アジアの中でトップクラス」の英語力を育成する必要があると提言している。日本人に高度な英語力を育成するためには、正確な言語運用を支える分析的な明示的知識(explicit knowledge)だけではなく、流暢な言語運用を支える直感的な暗示的知識(implicit knowledge)を育成するための指導法やその評価法を開発し、研究成果を現場へと還元しなければならない。しかし、それを支える明示的(言語)知識と暗示的(言語)知識の育成法やその評価法に関する研究は大幅に遅れている。正答率や反応時間を用いた研究は散見されるが、それらの方法的限界が指摘されており、この分野でのイノベーションが待たれている。本研究は、脳機能イメージングの手法を用いて、日本人英語学習者の暗示的知識と明示的知識の習得プロセスの脳メカニズムの解明と、そのメカニズムに影響を及ぼす個人差要因の特定を目的とする。 平成27年度は、暗示的知識と明示的知識を測定するテスト(時間制限無し文法性判断課題)を30名の英語学習者に実施し、予備実験を行った。予備実験で得られたデータをもとに、平成28年度には脳機能画像法を用いた実験を実施する。本研究を通して、暗示的知識と明示的知識の脳科学的データの提供や、脳科学に基づいた外国語学習評価法の開発が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、課題の選別、課題数や実験手法を適確に設定するために、予備実験を行った。予備実験は順調に進み、それらの手続きやデータに基づいて、平成28年10月~3月に本実験を行うことが可能になった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、平成27年に行った予備実験を通して選別した課題と刺激を用いて、脳機能画像法を用いた実験を実施する。平成29年度は、平成28年度で用いたテストのうち、暗示的知識と明示的知識を測定する信頼性が最も高いものを1、2種類のみ選定し、そのテストを行っている際の脳内メカニズムが個人差(言語分析能力やワーキングメモリ等)によってどのような影響を受けるのかを分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
殆ど研究計画通りに研究予算の執行はできたが、わずかの残額が残った形である。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度には、fMRI本実験を実施する計画であり、実験に必要とされる人件費、被験者の謝金として計上している。
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