研究課題/領域番号 |
15K02747
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
クルーグ ネイサンポール 埼玉大学, 英語教育開発センター, 准教授 (40549995)
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研究分担者 |
大津 友美 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 准教授 (20437073)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 英語学習 / 英語コミュニケーション / 日本人の英語 / 会話 |
研究実績の概要 |
近年、グローバル人材育成のため、日本人学生の英語力向上を目指す大学が多い。その方策の一つとして、大学は英語開講科目を作ったり、英語会話が練習できる学習支援室を設置したり、さまざまな英語使用環境を用意している。また、大学が用意した英語使用環境の他に、サークル活動など、日本人学生が留学生を相手に、英語で話す機会もあると思われる。しかし、日本の大学キャンパスにおける日本人学生の英語によるコミュニケーションの実態はまだ明らかではない。 そこで、本研究では、大学キャンパスでの日本人学生の英語によるコミュニケーションの実態を明らかにするために、さまざまな場面での実際の会話を録音・録画し、会話分析・談話分析を行う。その目的達成のために、〈調査I〉〈調査II〉〈調査III〉の三つの調査を予定している。〈調査II〉は、授業内外での英語学習場面の相互行為の分析であるが、その調査結果の一部を平成29年度に発表した(Krug, 2018b; 2018c; 2018d)。教室内での英語学習場面において、学生同士の会話やディスカッションの途中で教師が相互行為に一時的に参加する際のコミュニケーションを分析し、教師のどのような発話が話題の発展に貢献したかを明らかにした。また、Krug(2018a)では、学生にとって遂行するのが難しいタスクの種類を検討することにより、コミュニケーション能力向上のためにいかに実際の英語使用状況での経験が重要かということを指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題では、〈調査I〉〈調査II〉〈調査III〉の三つの調査を予定している。そのうち、〈調査Ⅱ〉については、データ収集、分析と考察、成果発表のすべてを終えることができた。〈調査Ⅰ〉〈調査III〉については、データ収集は終えることができ、現在整備できたものから分析しているところであるが、平成29年度の研究代表者の家庭の事情で、当初の予定より、成果発表、研究の総括の時期が遅れている。しかし、平成30年度にこれらの調査結果を学会発表し、研究の総括を行い、当初の予定どおり、目標を達成できる目途である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の推進のために、研究協力者との連携を図りたいと思う。具体的には、分析に用いる資料を整理し直す必要が出てきた場合などに、研究協力者に依頼し、研究代表者は分析・考察に集中できるようにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度中に二つの調査について、国内外の学会での成果発表を行う予定であったが、分析が間に合わず、発表申し込みをすることができなかった。平成29年度にできなかった学会発表は、平成30年度に行う予定であり、次年度使用額はそのために使用する。
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