研究課題/領域番号 |
15K02752
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
近藤 暁子 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (90450139)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 音韻的記憶 / スピーキング / リスニング |
研究実績の概要 |
図書館所蔵の書籍やデータベース、及び学会に出席して、記憶力及び外国語習得に関する情報収集を行い、収集した情報をもとに、今回の研究テーマについて、先行研究でどこまで明らかにされているのか、そしてまだ研究されていないことを精査し、本研究のリサーチクエスチョンとリサーチデザインを修正した。本研究はオーラルスキルにフォーカスを置いているが、リスニングに対する音韻的効果を調べるにあたって、同じレセプティブスキルであるリーディングスキルに対する音韻的記憶の効果についても調査し、その結果については学会で発表した。英語のスキルについてはすでにその信頼性と妥当性が確立されたテスト(VersantとVELC Test)を使用する予定だが、今回の研究目的また対象被験者の能力を測るのに適切かを確認した。また、音韻的記憶力については、先行研究で使用されたテストを参考にして、本研究で使用するための音韻的記憶力テストを作成し、その信頼性、妥当性を確認するためのパイロット実験を行った。外れ値・欠損値の検出のデータクリーニングの後、Rasch Analysis(Winsteps)を行い、各能力を検査する複数のテストの信頼性、妥当性について分析した。今回のパイロット実験の結果、信頼度について、更に改善があることが、分析の結果わかったので、再度、テストの内容を修正して、パイロットテストを行った。また、本研究は、高いオーラルスキル習得の背景にある要因についても調査することを目的としているため、その個人差を作る要因について、さらに文献を精査し論文にまとめた。その研究をもとに、テストスコア上位の被験者に実施するための個別インタビューの計画を立て、その計画(質問内容)の妥当性について確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テストの作成及び修正に時間を要したが、本研究の申請前から、十分準備を行なっていたこともあって、おおむね予定通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に実施したパイロット実験の結果と、他の研究者からの助言をもとに、再度、各種能力テストと実験方法・能力テストの修正をおこなう。テストの十分な信頼性と妥当性が確認できた後、本実験のためのデータ収集を行う。勤務校の学生約100名に協力してもらい、実験に参加してもらう。言語的情報に対する記憶力テストはコンピュータ採点するが、非言語的情報に対する記憶テストは音楽の専門家に評定を依頼する。パイロット実験と同様の方法で各種テストのスコアを分析する。また、記憶力テストの上位10%の被験者を抽出して個別インタビューを行い、高い音韻記憶の背景要因について分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた学会への出席が、スケジュールの都合でかなわなかったために、旅費を使用できなかったことによって生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度実施予定の本実験の結果発表および情報収集のため、昨年度出席できなかった学会への出席のために、その旅費として使用する予定である。また、今年度は本実験で、より多くの被験者及び、評定者が必要となるので、その協力に対する謝金として使用予定である。
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