• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

異文化交流環境における英語運用力の向上を目指す活動設計と実践研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K02758
研究機関千葉商科大学

研究代表者

山内 真理  千葉商科大学, 商経学部, 教授 (40411863)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード英語教育 / WTC / ICC / Virtual Exchange
研究実績の概要

英語運用能力およびWillingness to Communicate (WTC)の向上を図る学習活動設計を検討するにあたり、本研究では「持っている英語の知識やスキルを使えていない」状態の克服も視野に入れている。2016年度は Virtual Exchange (VE, オンライン交流)の事前事後で、Kiss18 (菊池, 1998) に基づいた社会スキル5項目、および英語運用とVEに関する6項目についての調査を行った。VEへの意欲は事前事後とほぼ変わらず(3.7から3.9)、これに比較して上昇幅が大きかったのが「SNS等で海外の人とコミュニケーションをしたい」(2.5から3.7)、「海外の友人を作りたい」(3.7から4.2)、「英語でコミュニケーションをしたい」(3.5から3.9)であった。VEへの参加が WTC向上につながっており、本参加者にとっては「海外の友人」「SNS利用」がVEへの意欲およびWTC向上への寄与度が高い。社会スキル5項目については全体に大きな変化は確認されなかったが、個別に見ると、事前事後とも社会スキル項目の得点が高い者ほどVE関連項目も高い傾向が見られた。一方、「自分の英語力が意思疎通に十分だ」(話し言葉、書き言葉)という項目については事前事後とも2ポイント前後と低く、一部をのぞいて大きな変化は見られず、相対的に英語力への自信のない本実践の参加者については、 Perceived Confidence の向上と、WTC(およびVEへの興味)の向上(ないし維持)は関係がないと言える。2016年度の実践では、Facebookを利用した動画共有を授業内グループ活動として実施した。授業内の観察およびリフレクションから、この活動が英語運用およびSNS利用に対する「不安」の回避につながると同時に、パートナーの動画が「親密度」向上に寄与することが確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Virtual Exchange については、授業への組み込み方、動画利用やリフレクション活動との連携などノウハウが蓄積され、そのWillingness to Communicate を向上させる効果や、社会スキルの要因と参加意欲の関係、参加を阻害しうる Affective Filterも明らかになってきている。
一方、本研究では、学習活動およびリソースの管理にはMoodleを採用し、学生自身のモバイル端末を利用するBYOD実践のノウハウの蓄積とリソースの再整備も目的としている。英語の基礎固めの部分については、Moodleでのクイズ等を蓄積しているが、当初計画していた中国との交流から、パートナーがコロンビアとフィンランドに変更となり、これに伴うリソース整備が進んでいない。

今後の研究の推進方策

2016年度から、交流活動リソースの1つとしてCultura の試行を開始したが、適切な導入法、授業への組み込み、効果的な提示法など引き続き検討していく必要がある。また、Facebook 上では、引き続き、授業外での交流が続いており、ここで蓄積されているコンテンツを今後の異文化間交流のリソースとして利用できないか、検討していく予定である。
2016年度はリフレクション活動を積極的に取り入れ、これがVirtual Exchange (VE)プロジェクト自体の成功につながったと考えているが、この点についての分析はまだ十分ではなく、今年度のデータも交えて分析を進める必要がある。
また、最後のリフレクションペーパーから、VEへの参加にあたって、参加者が、想定以上に様々なことに関して不安感 (Affective Filter) をもっていることが明らかになった。参加阻害要因の説明として想定してきた Social Skills との関係も深く、いったん軌道修正し、この側面から分析と観察を進める計画である。

次年度使用額が生じた理由

交流パートナーの変化に合わせた活動リソース蓄積のための資料収集スタートが後手に回ったこと、また、もう1件発表が採択された国際学会(アメリカ)への参加をスケジュールの関係で断念したことから、図書費、旅費および学会参加費の請求が発生しなかったため。

次年度使用額の使用計画

交流活動に関わるAffective FilterおよびICC養成について、そして活動リソースの参考として、特定の交流パートナーに関わる資料・交流一般についての教材・CLIL実践に関わる文献を購入する。
国内・国際学会への参加費用としても予定しているが、加えて、今年度または来年度に、異文化間交流および授業におけるITCツール利用について、冊子版での報告書をまとめたいと考えている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 7件)

  • [学会発表] Effective mix of language learning activities with or without technology2017

    • 著者名/発表者名
      Mari Yamauchi
    • 学会等名
      GloCALL2017
    • 発表場所
      Brunei,
    • 年月日
      2017-09-07 – 2017-09-09
    • 国際学会
  • [学会発表] How VE can help prepare Japanese students for intercultural communication2017

    • 著者名/発表者名
      Mari Yamauchi
    • 学会等名
      EuroCALL2017
    • 発表場所
      Southampton, The U.K.
    • 年月日
      2017-08-23 – 2017-08-26
    • 国際学会
  • [学会発表] Preparing Japanese Students for Intercultural Communication through Virtual Exchange2017

    • 著者名/発表者名
      Mari Yamauchi
    • 学会等名
      Asia-Pacific Virtual Exchange Association (APVEA) 2017
    • 発表場所
      Princeton, The U.S.
    • 年月日
      2017-03-25
    • 国際学会
  • [学会発表] Learner-centered technology integration in the EFL classroom2017

    • 著者名/発表者名
      Mari Yamauchi
    • 学会等名
      2017 International Conference on Humanities, Social Sciences and Education (ICHSSE-17)
    • 発表場所
      Pattaya, Thailand
    • 年月日
      2017-01-16
    • 国際学会
  • [学会発表] Learner Differences in Virtual Exchange: Toward a better program2017

    • 著者名/発表者名
      Mari Yamauchi
    • 学会等名
      International Conference on Arts, English, Literature and Religious Studies (AELRS-2017)
    • 発表場所
      Bali, Indonesia
    • 年月日
      2017-01-09
    • 国際学会
  • [学会発表] The impact of fluency-building activities on students’ WTC2016

    • 著者名/発表者名
      Mari Yamauchi
    • 学会等名
      AsiaTEFL2016
    • 発表場所
      Vladivostok, Russia
    • 年月日
      2016-07-01
    • 国際学会
  • [学会発表] How to help them speak up: a first step toward a better mix of modalities2016

    • 著者名/発表者名
      Mari Yamauchi
    • 学会等名
      JALTCALL2016
    • 発表場所
      玉川大学, 東京
    • 年月日
      2016-06-05
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi