研究課題/領域番号 |
15K02761
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
藤田 玲子 東海大学, 外国語教育センター, 准教授 (90366930)
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研究分担者 |
本田 量久 東海大学, 観光学部, 准教授 (90409540)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ローカルエリアの英語力 / 訪日観光客増加への期待と不安 / 訪日人対応コミュニケーションニーズ |
研究実績の概要 |
本年度の目標は、新規国際観光地を目指すローカルエリアにおいて、コミュニケーションに関わるどのようなニーズがあるかを調査することであった。聴き取りを始めたが、もう少しまとまった基礎とするデータを入手したかったため、2地区の国際観光地化を目指す地域においてパイロット的なアンケート調査を実施し138件の回答を得た。アンケートの結果から、4分の3が、言語が不得手、また苦手と感じていることがわかった。また、外国人旅行者が増加することに対しては概ね好意的な態度であるが、不安を感じているという回答も多かった。受け入れたいという気持ちはあるが、言葉が通じないのではないか、またマナーの違いで困るのではないか、などの不安が存在することが調査結果から見えてきた。並行して国際観光地化が進みつつあるエリアにおいても聞き取り調査を行った。ニセコ、糸魚川などで現地調査、聴き取り調査を実施するなかで、外国人観光客がすでに多いニセコと、まだ始まったばかりの糸魚川では、外国語対応の水準が異なっていることがわかった。それぞれ柔軟に外国人観光客とのコミュニケーションをとれるように努めているが、ニセコののように成熟した国際観光地は、コミュニケーションに対する外国人の期待は高く、レベルも高水準となり、それに応じた現地の方々の苦労があることがあきらかになった。ローカルエリアの国際化を進めていく日本政府の政策において、各自治体が手探りで行うのではなく、やはり、そこに関わる人々のコミュニケーションを円滑に図るための仕組み作りがあるとよいと改めて認識する調査結果を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
27年度中に訪日外国人を対象に、求める言語サービスや、言語を必要とする状況・内容についてアンケートを開始する予定であったが、ローカルエリアの日本人を対象をとしたパイロット調査の実施及び回収が当初予定していたより長引いたため、こちらのアンケートは実施できなかった。28年度に行うべく準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、昨年行う予定であった訪日人対処としたアンケート調査を実施、さらにニセコや長野などで、引き続き日本人に対し言語ニーズに関する聞き取りとアンケート調査を行いでデータを収集する。 計画を提出した2014当初は2020年に訪日客2000万人達成目標という状況で、ローカルエリアの国際化を後押しする必要性を鑑み計画を立てたが、既に2015年に1900万人と激増し、当初想定していたよりもはやい速度でローカルエリアにも人が流れている状況がある。アンケートやインタビューなどを遅れの無いように着実に実施する必要がある。また、状況によっては当初ターゲットとして設定した場所や聞き取りの質問内容を随時変更しながら進めていく必要があると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
27年度は予定していた訪日人への調査ができなかったため、人件費をあまり使用しなかった。また成果発表時、分担者と二人で行く予定であったが、分担者が急な公務により参加できなかったため、旅費が浮いたことにより、使用額が減じた。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度は27年度に実施できなかった調査を学生アルバイト数人を数日間雇用して行うため、繰り越した人件費を使用する予定である。また、本年度は分担者を一人増やし、さらにアンケート及びインタビューのデータを構築していくために、新しい分担者への調査旅費及び成果発表費も発生し、それを繰り越した分で補う予定である。
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