研究課題/領域番号 |
15K02761
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
藤田 玲子 東海大学, 国際教育センター, 教授 (90366930)
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研究分担者 |
本田 量久 東海大学, 観光学部, 准教授 (90409540)
デルガド ロドルフォ 東海大学, 国際教育センター, 講師 (60759215)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | インバウンド / 言語コミュニケーション / 異文化コミュニケーション / 観光接触場面 / 新規国際観光地 |
研究実績の概要 |
2年目となった2016年には、1年目の質問紙調査を踏まえた上で、英語使用について、ローカルエリアの観光現場でどのような困難があるのかを明らかにするために、第2次質問紙調査を行った。既に外国人が増加しているエリアで、必要とされる英語スキルや、困難な場面、解決策などについての質問をし、150の回答を得た。単純集計の結果からは、約7割が訪日外国人への対応に困難を感じており、業務の中で、特に苦手 なこととしては、「訛りやアクセントのある英語を理解する」、「速い英語を理解する」、「詳細の説明をする」ことが上位にあがった。自由回答からは、話す、聞くことに最も困難を感じていることがわかった。「伝わらない」、「わかってもらえない」、「単語が一つも聞き取れない」、「質問を聞き取れない」など、現場での対応には苦労の様子がうかがえる。必要なスキルとしては、「スピーキング」「リスニ ング」「異文化理解」が最多、逆に回答が少なかったのが、「文法」や「流暢さ」であった。 現状として、文法力や流暢さはなくとも、どうにかコ ミュニケーションをはかっているということがあると考えらえる。また「異文化理解」が必要なスキルとして高い割合で認識されていたのは、その理解の重要性を感じていることがあると推察される。自由回答にも文化の違いによる戸惑いなどの経験が示されていたことからも、異文化理解は外国人対応の際には浮上してくる問題であることがわかる。以上は単純集計の結果であるが、これを第1次アンケート調査、及びインタビュー調査とも照らし合わせながら、最終年は新規国際観光地に具体的な提案を示すことのできる冊子を作る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた2種の質問紙調査とフォローアップの聞き取り調査を終了し、現在、最後の課題である訪日外国人への聞き取り調査を現在引き続き行っているところで、わずかな遅れはあるが、概ね予定通りのスケジュールで進行している。質問紙調査に関しては、回収が難航し、予定していたほどの数が取れなかったが、聞き取り調査で補完をするようにした。
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今後の研究の推進方策 |
最終年となったが、本年度の最初の2カ月で、あと数件とる予定である訪日人への聞き取り調査を終える。その後すべてのデータの分析を行った上で比較検討し、論文作成と、冊子のような配布用資料作成に注力したいと考えている。年度内に投稿論文が採択されるようにピッチを上げて取り組む予定である。また国内学会での最終結果の発信、ワークショップの開催も積極的に行いたい。将来的には書籍の執筆も視野に入れて取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際大会での発表を3人で行う計画でいたが、校務等の関係で国内での発表となってしまったこと、また訪日外国人のインタビューが29年度に部分的にずれ込んだこともあり、予定の支出を行わなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
前半はずれ込んだインタビューの実施、データ整理のための謝金を必要とする。夏からは本格的に総括の時期とし、ワークショップの開催やその協力者への謝金、論文作成、学会発表など対外的な活動を行っていく予定であるため、そのために繰り越した資金を使用する予定である。
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