本研究の目的は、比較的新しいリスニングテスト形式である「写真描写問題」について、問題項目ならびに学習者の特性を明らかにすることである。研究課題採択3年目の平成29年度においては、前年度に引き続き写真描写問題の整理を行った。TOEIC テストの第1問題形式に写真描写問題が採用されていることに鑑みて、Educational Testing Service によって出版されている TOEIC テスト用問題集を、日本において出版されているものに加えて、韓国において出版されているものも収集した。各問題集における問題項目の重なりを調査し、どの問題セットを調査課題として用いるのがふさわしいのかを検討した。 次に、前年度に引き続き、学習者の特性を明らかにするために、リスニングテスト時の不安に関して質問紙による調査を実施した。Yamauchi (2014) において用いられている質問紙を著者から譲り受け、OMR にて読み込むことができるように整形してアンケート調査を実施した。調査結果をパソコンに入力し終え、統計的検定についてIBM SPSS Statistics Version 25.0を用いて分析した。 最後に、心理測定ソフトウェア Cedrus SuperLab 5を導入し、選定したノートパソコンで適切に作動させるように調整している。調査協力者が適切に反応できる画面のレイアウトにて、ソフトウェアを実行させるという課題に腐心している。
|