研究課題/領域番号 |
15K02778
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
片桐 徳昭 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (60734829)
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研究分担者 |
大橋 由紀子 ヤマザキ学園大学, 動物看護学部, 講師 (40589793)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 発話コーパス / 談話構造 / 小学校英語 / XMLタグ / 発話属性 / パラレルコーパス |
研究実績の概要 |
コーパスデータ収集に関しては小学校のデータ2本を追加し、中学1年生の英語授業データ11本、高校のデータ4本の合計17授業のデータ収録を行った。特定の中学校・高校で収録したものが10本と残りが単発で収録したものがである。また、コーパス分析の観点から、多くの収録クラスで、授業後に児童・生徒たちへアンケート調査を実施した。 コーパスデザインの更新を行った。コーパスには話者、使用言語等の情報タグを整形XML形式で付与するのに加えて、日本語の発話を英語に翻訳した内容を併記するパラレルコーパス構築も試みた。さらに、授業の各段階を示すモードタグ5種(skills and system, managerial, materials, classroom context)を設計した。また、小さなくくりとして、12種の属性値を埋め込んだ。また、生徒の発話の属性を2種(自発的、非自発的)、教師の発話属性11種を埋め込むという構成にした。 これらの研究成果について、小学校英語教育学会、全国英語教育学会、北海道英語教育学会、The International Academic Forum (IAFOR)において報告をし、助言を受けた。また、この内容について論文執筆し、北海道英語教育学会紀要第16号、北海道教育大学紀要人文化学・社会科学編 第67巻 第1号、第2号の3誌に掲載されている。また、IAFOR の発表内容は公式予稿集内に論文として公開されている(https://papers.iafor.org/proceedings/issn-2189-1044-iafor-international-conference-language-learning-hawaii-2017-official-conference-proceedings/)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの進捗状況は研究計画に沿って、コーパスのビデオ化以外は概ね順調に進行しているといえる。以下に現在までの進捗状況の概要を記す。 本研究2年度である平成28年度は主にコーパスデータの収集継続と談話構造の解明、ビデオコーパスの作成であった。データ収集に関しては、主に、小・中学校を中心に授業データ収録(17クラス分)をすることができた。書き起こしに関しては現在9クラス分終了している。また、今年度より加わった研究分担者が質的分析の担当(タグセットの追加、統計分析)を行っている。 コーパスのビデオ化については、ビデオ映像、音声、書き起こし(発話)、メタ情報(談話構造など)を1つの画面で操作できるように、業者に委託して、ビデコーパスのモックアツプ(試作品)を作成した。しかし、ビデオとコーパスデータをシンクロさせる作業に手間がかかることが判明し、実用化するには更なる時間がかかることが予想される。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度より連携研究者を務めて頂いた大橋由紀子博士に研究分担者になっていただき、研究代表者との2名体制で研究を進めることとなった。研究計画の大きな変更はないが、研究計画に基づいて、以下のように推進していく。 まずはじめに、データ収集についてである。平成27・28年度に収集したデータの書き起こしの未完了部分の遂行のため、新たなデータの追加は最小限に抑える予定。収録したデータの書き起こし未完了部分の仕上げと談話情報付与(XML形式による属性値の挿入)を鋭意進めていく。 次に分析と発表にいて述べる。昨年度に引き続き、定量化(発話token数、type数)に基づく分析を行い、コーパスのパラレル化や談話構造の分析を進めて、教師教育に活用したり効果測定を行う予定である。特に談話構造に関しては、授業内の各段階(transaction)ややり取り(interaction)などの談話タグを加え、その談話内での教師ゃ生徒の発話内に発話の属性値を加えていくという作業を完成させる。これら収集したデータ分析や教師教育・効果測定をもとに国内外の学会で発表し、それらを論文にまとめ、国内外の学術誌に投稿を行う。 最後に課題と対応策について述べる。ビデオコーパスの作成に関しては、モックアップが完成したので、パッケージとして取り入れるタグや属性情報の精選を進める。研究期間が残り1年であるので、教師教育や効果測定等も効率的に焦点を絞りながら行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会発表に伴う支出のうち、航空運賃は科研費から支出し、宿泊費が予定より支出が少額で済んだために旅費の支出が計画より少なくなり、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額に関しては、国際学会への旅費と打ち合わせの旅費として使用する計画である。
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備考 |
北海道教育大学リポジトリ
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