前年度は中国語スピーキングテストの形式の違いが受験者の得点に及ぼす影響を検証した。今年度はそれに引き続き、スピーキングテストの形式の違いが受験者の発話に及ぼす影響を検証した。日本人大学生の中国語学習者を対象に、インタビュー形式のスピーキングテストとペア形式のスピーキングテストを両方行い、両テストの形式の違いが受験者の発話量、ターンの数、ターンの長さに及ぼす影響を検証したところ、成績の上位群においては、テストの形式の違いは発話量に影響しないが、ターンの数に影響を及ぼし、インタビューテストより、ペアテストのターンの数の方が有意に多かった。それと対照的に、成績の下位群においては、スピーキングテストの形式の違いは発話量、ターンの数、ターンの長さに影響しないことが分かった。 また、三年間のまとめとして、日本国内外の利害関係の高い(high stakes)中国語スピーキングテストの種類、タスクの具体例、実施方法、実施手順、評価方法、評価尺度をまとめ、また、それに基づいて、一般の教育現場でスピーキングテストの問題を作成する際の考え方や理論を整理し、論文にまとめ上げた。
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