平成30年度の計画は、中学生を対象にして、単元を実施し、評価に関する複数のデータ(自己評価、CEFRの考え方に基づく評価、ダイナミック・アセスメントに基づく評価など)を収集し、分析することであった。 まず、平成29年度末に中学生を対象にして、読んだことに基づいて話すという領域(統合型の言語活動に焦点をあてた単元を実施し、データを収集した。平成30年度はそのデータ分析を行った。生徒は中学校2年のクラス(40人)であった。単元の目標を「読んだことに基づいて、感想を伝え合う」に設定した。評価方法は、授業中の観察と単元後のパフォーマンス評価であった。授業中の観察については、評価規準(読んだことに基づいて理由とともに自分の考えを述べることができる)を意識しながら、授業中の状況(教師と生徒とのやり取り)に基づいて教師の気付きを記録した。パフォーマンステストは、タスクの達成度と言語面の点から評価した。主な結果は、観察に基づく評価とタスクの達成度の評価の相関が高かったこと、タスクの言語面のうち流暢さとタスクの達成度の評価に相関が見られたことであった。 第2に、平成30年度に中学2年生を対象にしてデータを収集し分析した。中学校学習指導要領の領域(技能)ごとの目標のうち、「社会的な話題に関して聞いたり読んだりしたことについて,考えたことや感じたこと,その理由などを,簡単な語句や文を用いて述べ合うことができるようにする。」に関して、第2学年の学習到達目標「日常的な話題や関心のある話題について、聞いたり読んだりしたことについて、自分の考えや感想を伝え合うことができる。」を設定した。この目標に関して、「Our Talk on the News ~対談新聞を書こう~」(全11時間)という単元を構想し、評価した。自己評価は向上が見られたが、スピーキング・テストでは明確な向上が認められなかった。
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