研究課題/領域番号 |
15K02789
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研究機関 | 群馬県立女子大学 |
研究代表者 |
神谷 信廣 群馬県立女子大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (70631795)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 大学入試センター試験 / TOEFL |
研究実績の概要 |
平成28年度は、2回に分けてデータの収集を行なった。1回目は申請者が所属する大学の新入生に募集をかけて、42名の学生が5月にTOEFL Junior Comprehensiveの試験を受けた。その後、センター試験の英語の点数を提出してもらった。 2回目は当時の高校3年生を対象に行なった。まず夏に、申請者が所属する大学の近隣の高校や中等教育学校、合計13校に打診を行い、そのうち承諾を得た9校に訪問し、生徒に配付していただく資料を手渡した (ただし1校については、高校の先生が印刷して配付していただいたので、訪問はしなかった)。ウェブ上にて申し込みをしてもらい、その後キャンセルや欠席分を除き、最終的に80名が、3月に申請者が所属する大学にて、TOEFL Junior Comprehensiveの試験を受けた。この2年間で、合計144名の参加者のデータが集まった。 この3月分のデータはまだ揃っていないため、64名のデータを用いた仮の分析の結果、TOEFL Junior Comprehensiveと大学入試センター試験の英語の点数の間には、かなり高く有意な正の相関が見られた。また因子分析の結果、6つスコア (大学入試センター試験のリーディングとリスニング、TOEFL Junior Comprehensiveの4技能)の全てが1つの因子下に納まったことから、これら6つのスコアを別々に測定する必要性そのものに対する問題提起がなされる可能性がある。なお、3月末に札幌市にて開かれた英語教師の研究会において、中学、高校、大学の英語の先生方に対して、この中間結果を発表させていただいた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大変残念なことに、昨年度の11月にTOEFL Junior Comprehensiveを運営する会社から、テストを作成しているアメリカのETSの決定により、12月末をもってテストの実施を終了するという連絡が入った。その後交渉をしてもらい、なんとか日本のみ、3月末まで実施を継続してもらうことができたが、今年度はデータの収集ができなくなったしまった。 データ数については、これまで予定通り集めることができたが、当初の計画ではもう1度、本年度の5月に、申請者の大学の新入生にTOEFL Junior Comprehensiveを受けてもらい、それによりデータを完成する予定であったが、上記の理由によりそれができなくなったため、データ数は144名で終了となった。理想値として200を予定していたが、144でも信頼性は担保されるので、このデータで分析を行うこととなる。
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今後の研究の推進方策 |
TOEFL Junior Comprehensiveが中止となってしまったため、当初の目的である「大学入試センター試験の代わり」の候補として、この試験は使用できなくなった。しかし4技能試験の必要性についての分析は可能であるため、来年度はその観点から分析し、論文を執筆する予定である。秋までに執筆を終え、国内の英語教育の学術誌に投稿し、年度末での出版を目指す。 結果の口頭発表については、幅広い聴衆に聞いてもらいため、国内の学会で2回、国外の学会で1回、中学校、高校の先生方が参加する国内の研究会で1回を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
以下の使用計画に見られる通り、最終年度に多額の出費が予定されるので、できる限り予算を確保するように努めた。
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次年度使用額の使用計画 |
3月にテストを受験した参加者への謝礼とその送料、データ分析や論文執筆に必要なパソコンとソフトウェアの購入、研究発表を行う学会参加費及び旅費、論文投稿費、プリンターのインク代などが見込まれる。
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