研究課題/領域番号 |
15K02793
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
上田 倫史 駒澤大学, 総合教育研究部, 准教授 (30343627)
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研究分担者 |
大和田 和治 東京音楽大学, 音楽学部, 准教授 (00288036)
筒井 英一郎 広島国際大学, 薬学部, 講師 (20386733)
中野 美知子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 名誉教授 (70148229)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 第二言語習得 / 語彙学習 / L2語彙テスト |
研究実績の概要 |
平成27年度は、(1)Bauer and Nation (1993)の提案するワードファミリーにおいて、接辞や派生語について設定している6のレベルについて、実際の英語語彙学習における語彙獲得の難易度にどの程度関係があるのかを調べるための予備的な調査と、(2)テスト開発を行った。 (1)に関しては複数形の'-s'などを含めたLevel1と、比較級を表す-er, estなどの屈折辞を含むLevel2以外の、Level3から6までに含まれる接辞を調査の対象とし、JACT8000を参照し、各Levelに含まれている接辞を持つ派生語の語彙頻度がどのようになっているかを調べた。調査の結果、Level6に含まれている接辞を持つ単語が高頻度語彙である場合や、Level3に含まれる接辞を持つ派生語が、低頻度語彙であるという例が散見され、このことから各levelに分類されているLevel3~6に分類された接辞のついた派生語の語彙頻度とその派生語の所属しているレベルは一致しないことがわかった。 次に、(1)の調査結果をもとに、Bauer and Nation(1993)の分類した派生語のレベルがL2学習者の語彙学習にどのような影響をもたらすかを調べることとした。パイロットスタディーとして、上田、他(2012、2013)において調査した語彙能力テストの結果における派生語に関するテスト項目の正答率を調べた。使用した項目は主に、反意語を表す接辞(un-,in-など)を含む単語と名詞形にする接辞(-mentなど)を含む単語であった。調査の結果、派生語の正答率はその派生語の語彙頻度で説明がつくものと説明が不可能なものがあることがわかった。 これらの調査結果をもとに、語彙学習において派生語の接辞の難易度にどのような違いがあるのか、あるいはその難易度は語彙頻度のみに起因するのかなのを調査していくとになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
テスト項目を選定する前の段階として、派生語の語彙頻度をJACET8000を基に調べたが、Bauwer and Nationの提案している派生語のレベルのすべてを網羅するものではないため、英英辞典やコーパスのデータを利用することになったため、項目に必要となる語彙の選択に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の調査結果をもとに、語彙学習において派生語の接辞の難易度にどのような違いがあるのか、あるいはその難易度は語彙頻度のみに起因するのかなのを調査していく。具体的には、現在遅れている語彙項目選定の作業を行い、それに基づいた派生語に関する語彙テストを作成し、派生語と接辞の語彙学習における関係性を探る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年度8月に韓国で開催予定であった国際学科に出席予定であったが、韓国に蔓延したMERSの影響により、学会が12月に延期となった。これにより、出席が不可能な日程となったため、旅費として計上していたものが使用せず、結果、残額が生じることとになった。
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次年度使用額の使用計画 |
旅費を平成28年度に充当し、研究の遅れが出ているものの研究成果を積極的に国際学会にて発表していく予定である。
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