研究実績の概要 |
本年度は韓国の英語のデジタル教科書の3年生用の3冊のスクリプトを作成し、内容分析と語彙分析を行った。その結果、韓国で使用されているe教科書は,『Hi, friends!1』と比較してみると,内容分析の観点では学習者が言語機能を推測・理解しやすいようにコンテクストの特定化と対話の構成がなされていることが明らかになった。語彙面においては,『Hi, friends!1』では最も多く使われていた動詞はlikeであり,名詞では食べ物の話題が多いなど使われているなど語彙にかなり偏りがあったが, 今回分析を行った韓国のどのe教科書も食べ物の話題とともに文具などの語彙も頻出しており,動詞においてもbe, have, thank, look, like, letなど一般的な動詞が使われているなど,各e教科書において多少のばらつきはあるが,『Hi, friends!1』と比較して、韓国のe教科書は様々なコンテクストにあった基礎的な語彙や表現が使われていることが明らかになった。 さらに、日本の中学校用デジタル教科書と韓国のデジタル教科書と比較した結果、韓国のデジタル教科書の利点として以下の6点が明らかになった。1.読み上げ機能「通し読み」「リピート読み」「主観映像」は「聞く」「聞いて真似する」「対話者として参加する」ことができるようになっている。2.「Oral Introduction」はlessonのpre-listeningとして使用できる。3.「Movie」は、動画を見ながら英語を聞くことができる他、字幕のボタンを押すと字幕を見ることができる。4.ところどころ単語やフレーズを隠すマスキングができる。5.「Picture Cards」には本文に即した挿絵が書いてあり、場面ごとに本文を聞くことができる。6.「Practice (Listen)」ではlistening問題のスクリプトが見られる。
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