戦前、植民地台湾には沖縄からの移住者が多く、戦中宮古・八重山諸島から年寄りや子供たちが多く疎開していた。敗戦により、そうした人々は戦後引揚げを強制され、約3万人の沖縄県出身者が引揚げの対象とされている。しかし、沖縄を占領した米国軍政府は、戦禍による荒廃で受け入れ態勢が整っていないことを理由に早期の引揚げを許さず、正式に沖縄県民の引き揚げが実施されたのは、1946年10月以降であった。本研究では、関連資料を基に引揚げ経験者にインタビューを行ない、そうした沖縄県民の引揚げの実態を解明した。また本研究の最終年(2018年3月)には、研究成果として、『<沖縄籍民>の台湾引揚げ証言・史料集』を刊行した。
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