研究課題/領域番号 |
15K02837
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
石田 徹 島根県立大学, 総合政策学部, 准教授 (90386524)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 対馬 / 朝鮮 / 宗氏 / 訳官使 / 問慰行 |
研究実績の概要 |
平成28年度の本研究は前年度に引き続き、主として「訳官使」関係の資料群の調査・収集を行うことに注力した。8月27日から9月10日までは大韓民国国史編纂委員会所蔵の宗家文庫史料の調査・収集を、9月12日から18日までは長崎県対馬歴史民俗資料館所蔵の宗家文庫史料の調査・収集を行った。さらに平成29年3月18日から25日までは大韓民国国史編纂委員会での史料調査・収集を行った。なお、8月31日から9月2日までは研究協力者(対馬歴史民俗資料館学芸員・古川祐貴氏)と合同で史料調査を行った。当初計画していた「協議・打ち合わせ」については、多忙でなかなか行えないため、この時にまとめて行うこととし、宗家文庫や近世日朝関係史についてのレクチャーを受けた。 また、平成28年10月22日には対馬で開催された公開講座(田代和生慶応大学名誉教授講演「朝鮮通信使が見た庶民芸能」:主催・対馬歴史民俗資料館)に参加して、近世日朝関係についての知見を深めることができた。 史料収集に関しては平成28年度の所期の成果を得ることができたと考えており、史料の分析にも取りかかることができた。1630年代から1850年代まで派遣された訳官使の中で、とくに寛政年間前後に焦点を合わせて分析を進めていく。平成29年度以降はより分析に重点を置いて研究を進めていくが、周知の通り宗家文庫史料は膨大な資料群であるので、引き続き計画通り史料調査・収集(補遺含む)も行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度にまして、本務校での業務が想像以上に増加しており、本研究へのエフォート率が下がってしまっているため。
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今後の研究の推進方策 |
史料分析に注力しつつ、長期休暇時などには史料調査も並行して行いたい。 ただ、平成28年度末に対馬歴史民俗資料館から、平成29年度より2年程度、一時休館すること、その間の資料閲覧・調査は不可能となることなどの通知を受けた。本研究にとって対馬歴史民俗資料館での史料調査はその根幹であるため、2年間の一時休館が本研究に与える影響は甚大である。できうる限りよりよい成果を得るためにも、最終年度の繰り越しも視野に入れながら研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
主に対馬での史料調査、福岡(もしくは対馬)で行う研究協力者との打合会が当初の計画のように実施できなかったことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度と30年度は対馬歴史民俗資料館が一時休館となってしまったため、対馬での史料調査ができない。本研究にとっては致命的状況であるため、最終年度(当初計画では平成30年度)を1年延ばして平成31年度に対馬での調査実施を見据えた研究費の執行を計画している。
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