研究課題/領域番号 |
15K02837
|
研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
石田 徹 島根県立大学, 総合政策学部, 准教授 (90386524)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 対馬 / 朝鮮 / 訳官使 / 問慰行 / 宗氏 |
研究実績の概要 |
平成29年度の本研究は前年度に引き続き、主として「訳官使」関係の史料群の調査・収集を行った。9月2日から12日まで大韓民国国史編纂委員会で、『訳官記録』を初めとする対馬宗家文書の史料調査・収集を行い、また3月26日から28日まで国立国会図書館古典籍資料室で、『分類紀事大綱』・『訳官記録』の調査・収集を行った。なお、当年度より長崎県対馬歴史民俗資料館が改修工事で休館となったため、対馬での調査はできなかった。 研究協力者(対馬歴史民俗資料館学芸員・古川祐貴氏)との「協議・打ち合わせ」は、双方共に時間を作ることが叶わず、オンライン上で史料分析上の疑問点などについてご教示を頂いた。 当年度は、日本国内ではこれまで研究があまりされてこなかった「訳官使」についての詳細な研究書(池内敏著『絶海の碩学』)が刊行された。折良く東洋史研究会から当該書の書評依頼を受け、書評を著わすことができた(『東洋史研究』76巻4号、2018年3月所収)。それに際しては京都での研究会での報告と、早稲田大学教育学部教員図書室での関連調査も行った。 「訳官使」の基礎的研究を構想していた本研究にとっては、当初の構想を再考する必要にも迫られたが、先行研究の成果に学びながら、概ね当初の構想通りに進めることとし、「訳官使」そのもの、並びに「訳官使」をめぐる諸状況を明らかにしていく。昨年度より進めている寛政年間前後の訳官使の関連史料の分析については、論文脱稿までには至っていないが、進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本務校での業務増加が止まらず、本研究へのエフォート率が下がってしまっているため。
|
今後の研究の推進方策 |
史料分析に重点を移し、できうる限りの研究時間確保に努める。また韓国での史料調査については継続して行う計画である。なお、昨年度も述べたように、本研究にとって対馬歴史民俗資料館所蔵の宗家文庫史料(対馬宗家文書)調査は根幹に当たっているため、最終年度を繰り越し、休館が明ける予定の来年度に集中的な調査を行いたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由)主に、対馬での史料調査ならびに研究協力者との打合会が実施できなかったこと、また、韓国での史料調査を複数回行う時間的余裕が確保できなかったことによる。
(使用計画)平成29年度と30年度は対馬歴史民俗資料館が一時休館となり対馬での史料調査ができない状況であるが、本研究にとって対馬での史料調査は不可欠のものであるため、最終年度を1年延長し、平成31年度に対馬での調査を複数回敢行する。
|