最終年度を延長した本年度の成果は、①大韓民国国史編纂委員会における史料調査と収集、分析、②研究成果の発表が中心となった。①については、8月22日~31日にかけて史料調査を行い、国史編纂委員会収蔵の対馬宗家文書「訳官記録」は概ね調査収集を終えた。なお、当初は長崎県立対馬歴史民俗資料館での調査も視野に入れていたが、館の再開が2020年度となったため調査することができなかった。 ②については、「中高歴史教科書における『朝鮮通信使』表記と『信=よしみ』論について」を(名古屋大学)近世史研究会+第2回「訳官使・通信使とその周辺」研究会(2019年6月15日)で発表し、その後半部分である「信=よしみ」説をめぐる議論を元に「朝鮮『通信』使の『信』について」を名古屋大学人文学研究科・中国復旦大学文史研究院共催の国際シンポジウム「東アジア文明間の対話―朝鮮通信使学術シンポジウム」(2019年9月16日)で発表した。
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