幹周6m以上のイチョウ巨樹に対する乳信仰について現地調査と文献調査を行い、その実態の確認と、これまで行われていなかった歴史研究を試みた。イチョウ巨樹の幹や枝に形成されるチチにもとづく祈願は9タイプに分類できた。 イチョウ巨樹の樹齢については科学的に確認する方法がない。各イチョウについて文献調査によってその初見、立地、植樹の理由、信仰、保存の経緯等を探った。これまで文献上の初見から、日本への中国からの移入は室町時代とされているが、研究協力者の知見との整合性からも、より古い時期に植えられ、数百年後にチチが形成されて乳信仰が始まり、多様なルートで全国に伝播したと推察できた。
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