研究課題/領域番号 |
15K02843
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
清水 節 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (30410294)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | GHQ/SCAP / 民間情報教育局 / 宗教文化資源課 / 史料研究 / デジタルアーカイブ |
研究実績の概要 |
GHQ/SCAP文書には、民間情報教育局(CIE)宗教文化資源課(旧宗教課時代を含む)が作成した1946年~1952年分のカンファレンスレポートがある。ここには、同課を訪問した日本人(政治家、官僚、宗教界関係者など)との会談記録や、GHQ内部における協議記録が残されている。同レポートは、5年9か月間に及ぶ約7500ページ超の文書であり、戦後の宗教史を研究する上で欠かせない貴重な史料である。本研究の目的は、このカンファレンスレポートのデータベースを作成し、内容検索が可能なWebサイトを構築することである。 1年目の本年度は、まずWebや情報処理に関する知識や技術について、専門家の助言を得ながら認識を深め、データベース作成上の方針や方法について検討した。さらに、必要になる機材やソフトウェアを購入し、研究環境の整備を行った。報告者は、これまでの研究活動の中で、国立国会図書館憲政資料室がマイクロフィッシュの形で所蔵しているGHQ/SCAP文書の中から、カンファレンスレポートに該当するものを既に複製し収集しておいた。これを研究室のマイクロフィルムスキャナを用いてプリンターで出力し、整理・解読を行った上で、記載内容(日時、場所、出席者、件名、議事内容)のテキストデータ化を進めた。さらに、日本語検索を可能にするための簡易な翻訳データも作成した。膨大な量があるため、予定通りに進めることが難しかったものの、1946年分の記事を処理することができた。次年度以降、作業効率を改善しながら、継続してデータベース化を進めてゆく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データベース化を進める方針や方法についての検討に時間を要した。また、作業量が予想以上に多く、作業手順が確定するまで試行錯誤が続いたことも影響し、計画が遅れることになった。
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今後の研究の推進方策 |
継続的にカンファレンスレポートのデータベース化を進める。その中で、さらに作業の見直しや効率化を図りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
マイクロフィッシュ上の文書には、手書きの不鮮明な文や裏面の写り込み、タイプ印字の潰れ、インクの滲みなどにより、判読不能な箇所が存在することを事前調査で確認していた。これらをアメリカ国立公文書館で原本確認すべく、当初の計画では渡米調査の予定を組んでいた。しかし、本年度にデータベース化した文書には該当箇所が少なかったことから、予算を有効に使用する上でも、渡米調査を来年度以降に繰り上げることが賢明と判断した。さらに、データベース化作業に予定以上の時間を要したことも影響した。
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次年度使用額の使用計画 |
アメリカや国内の図書館・公文書館で史料調査するための旅費として使用する。
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