• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 研究成果報告書

近世日本の障害者と人間観に関する基礎的研究

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 15K02865
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 日本史
研究機関九州大学

研究代表者

高野 信治  九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (90179466)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード障害 / 病傷 / 差別 / 完全性 / 家職
研究成果の概要

人(「日本人」)はどのようにあるべきかという見方は、近世日本で、通俗道徳(忠孝、正直、節倹など)の形成や家職を重視する社会の成り立ち過程で、形作られる。障害を持った人々には、国家(領主)側からも、社会(地域社会)からも、漸次、厳しい眼差しが向けられる。とくに、国家(領主)財政の困窮化が懸念され、かつ、社会階層の変容(経済的要因も背景とする階層分化)のなか、障害者ついて、国家は共同体(地縁、血縁)のなかでみるべきと、事実上の救済を丸投げし、地域社会もかかる人々の抱えを血縁集団に押し込めようとする。いわば国家(領主)からも地域社会からも、厄介な存在とみる眼差しが強まる。

自由記述の分野

日本近世史

研究成果の学術的意義や社会的意義

病傷治癒の困難な障害者認識は、新たな国家や社会システムの形成にともない、近代以降に醸成されてきた、というのが、障害(史)研究の通説とみられる。しかし、本研究は前近代からの流れを踏まえるべきとの立場で遂行した。人の区別、差別において、性や人種などよりも障害の有無は、より決定的という、欧米の考え方がある。人の多様なあり方、との視角ではなく、人としての完全性のあり方として、人を捉える見方からすれば、障害の有無はある意味で、決定的という考え方だ。
そのような認識が、日本では家職意識を軸に近世に形成されてきたのを解明した本研究は、近代特有と考えられる傾向が強い障害観念の見直しを、迫るものだろう。

URL: 

公開日: 2020-03-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi