日本では、女性は罪深く不浄であるという観念が平安時代に現れ、近世には社会全体に広まった。本研究はそうした社会通念への批判や抵抗が近世末の民間の非公認の信仰集団の中に現れたことを明らかにした。具体的は富士信仰を基盤に信者集団を形成した不二道と1827年に京坂で切支丹として摘発された信者集団を対象として、女性の役割を調査し、前者においては人間男女平等な理想世の観念に基づいて女性信者が活躍し、後者においては妻や女の役割を拒否した女性たちが重要な役割を担ったことを明らかにした。成果としては2冊の図書の各1章を執筆し、うち1冊が2017年に刊行された。また2017年に国際学会EAJSで研究発表を行った。
|