研究課題/領域番号 |
15K02888
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
石川 博樹 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (40552378)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アフリカ / ポルトガル / 歴史 / 植民地 / 農業 |
研究実績の概要 |
1970年代半ばにポルトガルから相次いで独立したアフリカ諸国を「ポルトガル語公用語アフリカ諸国(略称PALOP)」と呼ぶ。本研究では、まずポルトガル植民地支配末期にPALOP各国で刊行された農業センサスの掲載情報を収集し、当時のPALOPにおける主食用作物の栽培状況を明らかにする。さらに他の史料から得られる情報も比較検討することにより、植民地支配下のPALOPにおける主食用作物栽培の歴史的変遷とその社会的影響を、特に新世界産主食用作物を中心に解明する。研究初年度の2015年度は、ポルトガル国リスボン市の熱帯科学研究所(Instituto de Investigacao Cientifica Tropical)傘下の資料情報センター(Centro de Documentacao e Informacao)において、PALOPの主要国であるモザンビークにおいてポルトガル植民地支配末期に刊行された『モザンビーク農業センサスRecenseamento Agricola de Mocambique』の所蔵調査を行い、その内容分析を開始した。またリスボン国立図書館(Biblioteca Nacional de Lisboa)において、植民地支配期のPALOPにおける主食用作物の栽培と消費に関する文献の調査も行った。そして本研究で得た知見を基にして、石川博樹・小松かおり・藤本武編『食と農のアフリカ史:現代の基層に迫る』(昭和堂、2016年3月31日)の総説第3章「アフリカ農業史研究の手法」(佐藤靖明・小松かおりと共著)を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画のとおり、2015年度は『モザンビーク農業センサス』の所蔵調査を行い、その内容分析を開始したため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究において主たる史料となるPALOP農業センサスをまとまって所蔵しているのは、資料文書センターである。しかし本センターの開館時間が大幅に減少したことを受け、他機関における調査の割合を増やすことを検討している。
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