前近代中央アジアに関する研究は、日本が特に大きな業績を残してきた領域であり、前世紀後半には活発な発掘調査も行われてきた。それらの実績の上に立ち、文献資料、考古資料、貨幣資料等の研究成果を総合して、南アジア、西アジア、中央アジアのフロンティアに位置し、どの地域の記録においても詳細な情報が残っていない領域を、現代の我々がどのようにして研究できるか、という課題にとりくみ、一定の成果を上げたという点は意義があると考える。また、2019年度以降に採用された基盤研究Bや、オーストリア科学財団研究プロジェクトなど、本研究計画に深く関連を持つ新たな研究が計画される土台を形成したという点も重要である。
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