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2018 年度 研究成果報告書

近代中国における「民意」・「敵意」の形成と民俗・象徴を巡る社会統合

研究課題

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研究課題/領域番号 15K02897
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 アジア史・アフリカ史
研究機関広島大学

研究代表者

丸田 孝志  広島大学, 総合科学研究科, 教授 (70299288)

研究分担者 水羽 信男  広島大学, 総合科学研究科, 教授 (50229712)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード中国共産党 / 民意 / 毛沢東 / 民間信仰 / 民俗 / 物語
研究成果の概要

戦後内戦期の農村の政治動員の中で、中国共産党は伝統社会の流動性の高さに応じた秩序形成の手法を踏襲し、個々の政治的態度や資格を含む等級区分を人々に付与・剥奪することで、その忠誠を引き出すことに成功した。共和国建国後の民衆の祈雨活動、天災に関わる流言、神水・神薬騒動において、民衆は政権の迷信禁圧に激しく反発しながらも、個々の利害に基づく迷信行為を政府の権威によって正当化しており、政府が天や神を敬い、その恩徳を天下に及ぼすことを求めていた。大衆が民意を天意として、強い自己主張をする一方、中共権力はその構造の下、指導者の物語や革命の伝説の創造を通じて民意を天意として回収しようとしていた。

自由記述の分野

東洋史学

研究成果の学術的意義や社会的意義

日本や西欧と異なり、早くから身分制が解体し、中央集権の官僚制国家を形成した中国の社会・国家統合の原理は、基層社会の共同体が客観的法規範によって権力と対峙する形態を取らず、全体の正義としての天の下に国家の価値・道徳を頂点として国家と社会がつながり、同形の機能を果たしてきた。本研究は、このような構造が中共の革命権力にも継承され、破壊的な大衆動員に成功したこと、民意を天意に回収するイデオロギー構造を構築したを明らかにした。また、全体の幸福という基本原理の下、最基層の大衆が強い権利意識に目覚め、このような社会-国家統合に参入していくという独自の近代化の過程を明らかにした。

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公開日: 2020-03-30  

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