研究課題/領域番号 |
15K02909
|
研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
森 和 成城大学, 民俗学研究所, 研究員 (10367146)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 古代史 |
研究実績の概要 |
令和1年度は、2019年3月21日にアメリカ・デンバーで行われたAssociation of Asian Studies(AAS)2019年次総会で報告した「Some Problems in the "Biographies of the Diviners of Lucky Days"」(『史記』日者列伝における幾つかの問題)の内容を発展させ、「『史記』日者列伝の亡佚と補作について」と題して『中国古代の法・政・俗』(汲古書院、2019年12月24日、249~273頁)に発表した。 当該論文では、出土数術文献の中心となっている『日書』との深い関係性が指摘されながら、『史記』日者列伝の記述について検討し、従来司馬遷の原文ではないとする疑念や根拠の薄弱さを指摘し、現行日者列伝が司馬遷による序文・司馬季主の故事・「太史公曰」と「チョ先生曰」以下のチョ少孫の補作からなることを明らかにした。また列伝本文と太史公自序との矛盾については、当該列伝の編纂過程を(1)太史公自序、(2)列伝序文、(3)司馬季主の故事、(4)太史公曰く、と整理推定することによって解消され得ると考えた。さらに実際に出土した孔家坡漢簡「日書」をチョ少孫補文にみえる前漢・武帝の占家聚会の文脈で仮想的に用いることにより、「日書」の実用性を具体的に浮かび上がらせた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
データ入力の人員および作業場所の確保などができず、当初の想定以上に時間を要したことで前年度までの学会報告や論文を一つの成果としてまとめる最終年度の作業に遅れが生じた。そこで補助事業期間の延長を申請した。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの研究内容をまとめ、当該研究を完了させる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
データ入力の人員および作業場所の確保などができず、当初の想定以上に時間を要したことで前年度までの学会報告や論文を一つの成果としてまとめる最終年度の作業に遅れが生じたため、次年度使用額が生じた。本研究の成果をまとめ、発表するために使用する。
|