研究課題/領域番号 |
15K02932
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池田 嘉郎 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80449420)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ロシア革命 / 第一次世界大戦 / ロシア史 / ソ連史 |
研究実績の概要 |
研究実施計画に基き、第一次世界大戦期からロシア革命期にかけてのリベラルの動向について一次史料の収集・分析にあたった。成果として、『ロシア革命 破局の8か月』(岩波新書)を公刊した。また、「トルストイ『戦争と平和』とロシア社会 : 祖国戦争100周年と第一次世界大戦に見る」『SLAVISTIKA』31と「第一次世界大戦とロシア・リベラルのヨーロッパ認識 : カデットを中心にして」『ロシア史研究』97をそれぞれ査読論文として発表した。 二度、国際学会で報告した。ドイツではミュンヘン大学(ハンブルク)で Time and the Comintern: Rethinking the Cultural Impact of the Russian Revolution on Japanese Intellectualsを、The Third Annual Conference of the Graduate School for East and Southeast European Studies: The Culture of the Russian Revolution and Its Global Impactで報告した。ロシアではヨーロッパ大学(ペテルブルグ)で、Проекты установления республиканского строя в 1917 году: дискуссии о президентстве и парламенте (1917年における共和制確立の諸案:大統領制と議会制をめぐる議論)をX международный коллоквиум по российской истории ≪Эпоха войн и революций (1914-1922)≫(第10回国際ロシア史コロキウム「諸戦争と諸革命の時代(1914-1922)」)で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
査読論文2本、国際学会での報告2本だけであれば、おおむね順調に進展しているという評価と考えるが、それらにくわえて、単著『ロシア革命 破局の8か月』を刊行することができた。その内容は、本研究計画の成果を直接に反映している。それゆえ、当初の計画以上に進展していると評価することができると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度同様、国際学会での報告を精力的に行なう。平成28年度に行なった二つの学会報告によって、研究者との交流を従来以上に深めることができた。具体的にはドイツの研究者、それにペテルブルグの研究者である(それまではロシアに関してはモスクワの研究者との交流が中心であった)。旧来の交流にくわえ、こうしたあらたな交流をも研究活動に活かし、近い将来のあらたな共同研究の基礎となりうるような視角を見出せるように、意識的に取り組みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
翻訳に対する謝金支出に際して、文字数に予定との若干の違いが生じたために、次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
翻訳謝金の一部とする。
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