従来、公民権運動はマーチン・ルーサー・キング牧師が率いた運動、あるいは「黒人の黒人による黒人のための」地位向上運動と捉えられがちであった。しかし、ユダヤ人は米国人口の2~3%を占めるに過ぎないが、運動の白人ボランティアのほぼ半数を占めていた。本研究では、参加者本人に対する聞き取りや活動日誌を活用し、公民権運動の担い手が著名な活動家や大きな組織だけでないことを確認するとともに、ユダヤ人、特に大学生などの若者を中心としたリベラルな白人の貢献があったことを明らかにした。具体的には、1965年にサウスキャロライナ州で有権者登録運動に参加した人物の当時の日記および本人への聞き取りを基に研究を発展させた。
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