ドイツ占領期におけるノルウェーとデンマークのユダヤ人の迫害体験と戦後の両国におけるホロコーストの記憶の変容について調査・研究を行った。 戦後ノルウェー人は自らをナチスの被害者と位置付けていたが、占領期のユダヤ人の逮捕やアウシュヴィッツ への強制移送にノルウェー人の警察官、監視員などが自発的に関与していた事実を明らかにし、ノルウェー人の加害性を考察した。戦後のデンマークではユダヤ人救出の成功物語が「国民神話」として語り継がれてきたが、スウェーデンに脱出できずにテレージエンシュタット収容所に強制移送されたユダヤ人の体験を調査し、デンマーク占領期のユダヤ人問題を再評価した。
|