研究課題
基盤研究(C)
本研究では、弥生時代の骨卜(太占)における、鹿の肩甲骨の焼灼方法について、調査し、考察し、再現実験を行った。調査対象は、鳥取青谷上寺地遺跡出土の卜骨、奈良唐古・鍵遺跡出土の卜骨、長崎壱岐島出土の卜骨である。伴信友『正卜考』の記述を手がかりに、鹿(または猪)の肩甲骨による占いの考察を行った。鹿の肩甲骨を、土に埋める方法と水に漬ける方法と、両方の方法を試み、その骨を、モグサで焼灼する方法を考察した。再現実験では、モグサを用いて、鹿の肩甲骨を、同時に2~3箇所焼くことにより、骨に生じる亀裂をコントロールすることを再現できた。再現実験の結果、出土卜骨の焼灼痕と非常に類似する焼灼痕が得られた。
中国哲学