本研究では、計画通りサウジアラビア北西部で複数の遺跡の位置や内容を確認した。これらの遺跡には、銅石器時代と考えられる環状祭祀遺構と前期青銅器時代と考えられる円塔墓と台状祭祀遺構が含まれていた。研究の結果、3遺構の系統関係を示す内部施設の特定に成功し、これらが通時的に関連していることが明らかにした。その他に銅石器時代末期に属する新たなタイプの遺構(不正形の立石遺構)を検出した。また、同じく銅石器時代末期に属する集落遺跡を検出した。この遺構は径5mほどの円形遺構が連なった形状を有しており、集落と家畜囲いと考えられる。最終年度に集落遺跡を発見することができ、今後の古代遊牧民研究の指針となった。
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