唐津焼、薩摩焼、壺屋焼(荒焼)についての論文、「近世における壺・甕の製作技術-九州・沖縄を中心に-」(『中近世陶磁器の考古学』第六巻 雄山閣)の校正作業を行い、2018年5月に刊行された。堀越焼・賀谷窯跡、武雄系古唐津多々良焼・金子窯(金子認氏)、壺屋焼(荒焼)榮用窯(新垣榮用氏)について報告書作成作業を進めた。金子窯については電話・手紙による聞き取り調査を行い、関連して佐賀県教育委員会が調査した甕屋窯出土資料を実見させていただいた。賀谷窯跡については、末田焼と合わせて現地調査、聞き取り調査を行った。壺屋焼については電話・手紙による聞き取り調査を行った。以上に基づき、2018年3月に『堀越焼・賀谷窯跡測量調査報告書』、『武雄系古唐津多々良焼・金子窯における甕の成形技術』、『壺屋焼(荒焼)榮用窯におけるトゥックイの成形技術』を刊行した。石見焼については、2017年12月に日本考古学協会第84回研究発表会(平成30年5月27日/明治大学)に「石見焼「はんど」の製作技術とそのルーツ」(口頭発表)を申し込み、受理された。また、2018年2月に同発表要旨原稿を作成し、日本考古学協会に提出した。佐野焼については、「やきものをつかう-山口県佐野焼」(『やきもの つくる・うごく・つかう』近代文藝社)の原稿執筆、校正作業を行った。 以上のように、唐津焼、薩摩焼、壺屋焼(荒焼)について研究成果を公表することができた。石見焼、佐野焼についても、平成30年度中に研究成果が公表される予定である。以上の研究成果により、上記各窯の技術系譜の流れと関連する課題を提示することができた。
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