考古学と古環境学をつなぐ学際的研究は極めて重要である。14C年代測定を積極的に活用し「環境文化史研究」として両者を横断的・総合的に理解することを目指す本研究では,考古資料に留まらず当時の環境を考えるために必要不可欠な古環境研究の試料についても体系的な年代測定を行った。過去の重要遺跡および当時の人々が生きた場を復元する古環境分析の試料について新たな14C年代測定を実施することによって,現在的な研究に再び活用できるようにすることは大きな意義がある。また,そのために誰もが利用可能なデータベースの形で測定例を検索できるようにしたことは,社会的にも重要な成果である。
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