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2016 年度 実施状況報告書

オープンデータとカウンターマッピングに関する地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K03008
研究機関奈良女子大学

研究代表者

西村 雄一郎  奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (90390707)

研究分担者 瀬戸 寿一  東京大学, 空間情報科学研究センター, 特任講師 (80454502)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード地理学 / オープンデータ / カウンターマッピング / クリティカルGIS / 日本
研究実績の概要

本研究では,2013 年に日本を含む先進国共通の重要な課題となり,その取り組みが模索されている「オープンデータ」をめざした社会の変化と,一般市民による「カウンターマッピング(対抗的マッピング)」との関係について研究を行う.特に本年度は下記の研究を中心に活動を行った
(2)日本におけるオープンデータの進展に関する研究
2013 年以降日本で進展しつつあるオープンデータについていくつかの事例地域を取り上げ,その活動の詳細や契機,オープンデータの地理的な拡散について把握した.オープンデータは,国で行われている様々なデータの公開において,取り組まれる一方で各地方自治体レベルでは,特にオープンデータ化を義務化するような法律が不在であることもあって,地域差が著しく,公開されているデータの内容もばらばらである.オープンデータの公開が各地域レベルでどのように行われているのかについてデータを収集し分析した.
とりわけ以下のパートの研究を行った.
2)現地インタビュー調査などによるオープンデータ化に関する状況の分析:オープンデータへの取り組みについては地域差が大きく,これには,地域の政治的な状況が大きな影響を与えており,トップダウン型・行政主導・地域住民の主導などさまざまな場合があると考えられる.どのような主体がこういったオープンデータ化を進めているのか,どのような手段で公開に至っているのか,状況や政治的なチャネルの利用,その結果などに関して詳細なインタビュー調査などを含む調査を行った
一方計画していたIGU(国際地理学連合)地域大会での研究成果の報告については研究代表者の母の急死などのため、実施することができなかった。,カウンターマッピングに関する事例と理論的位置づけに関する研究を中心とした展望論文の執筆・学術雑誌への投稿については、研究分担者と共に執筆を現在進めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書に示した28年度計画に挙げた事項について,おおむね研究が順調に進んでいるが、当初予定していたIGU(国際地理学連合)地域大会での発表について実施できなかったこと、論文の投稿が遅れた点については、29年度に実施する、

今後の研究の推進方策

来年度も交付申請書に示した29年度計画に基づき下記の研究を行う

(3)オープンデータを利用したカウンターマッピングの事例研究とその社会的意義・限界について
カウンターマッピングは,トップダウン型の情報収集や対抗して,個々人の生活空間を基礎としたボトムアップ型の情報を収集し,分析するという特徴を持つ.こうしたカウンターマッピングにオープンデータ化がどのような影響を与えたのか,日本国内におけるいくつかの事例を収集し,オープンデータを利用して作成・公開された地図がどんなものか,描かれた地物,データの解像度,それらの表象の方法などの面から整理する.また,こういったカウンターマッピングがどのような社会的・政治的な意義をもたらしているのか,特に地域におけるどのような政治参加を現実にもたらしているのかについて考察を行う.これらの事例を考察することによって,オープンデータを利用したカウンターマッピングという形態を通じて地理情報が現実社会の中でどのように受容されているのか,またその方向性・可能性やその限界について議論を行う.

次年度使用額が生じた理由

当初予定していたIGU(国際地理学連合)地域大会での発表について実施できなかったこと、論文の投稿が遅れたことから、これに関連する経費の支出を28年度に行うことができなかったため

次年度使用額の使用計画

予定していた調査旅費や消耗品などで未使用額が生じたため,次年度に執行を計画する.昨年度予定していた海外旅費(研究成果の発表)と論文投稿のための諸経費を今年度に使用し、今年度文計画していた報告書作成のための印刷費・海外旅費(研究成果の発表),および外国語発表原稿などの校閲(謝金)を合わせて使用する。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 平成28年4月熊本地震における携帯電話位置情報を用いた避難所の混雑度推計2016

    • 著者名/発表者名
      瀬戸寿一・樫山武浩・関本義秀
    • 雑誌名

      地理情報システム学会講演論文集

      巻: 25 ページ: 1-4 (CD-ROM)

  • [雑誌論文] G空間情報センターにおける多様大量な地理空間情報の処理機能について2016

    • 著者名/発表者名
      関本義秀・瀬戸寿一・大伴真吾・嘉山陽一・菊地英一
    • 雑誌名

      地理情報システム学会講演論文集

      巻: 25 ページ: 1-4 (CD-ROM)

  • [雑誌論文] GISオープン教材の開発とGitHubを用いた公開2016

    • 著者名/発表者名
      山内啓之・瀬戸寿一・小口高
    • 雑誌名

      地理情報システム学会講演論文集

      巻: 25 ページ: 1-4 (CD-ROM)

  • [雑誌論文] オープンストリートマップに基づく交通ネットワークデータの品質評価手法の検討2016

    • 著者名/発表者名
      金杉洋・瀬戸寿一・関本義秀・柴崎亮介
    • 雑誌名

      地理情報システム学会講演論文集

      巻: 25 ページ: 1-4 (CD-ROM)

  • [雑誌論文] 地理空間情報のオープンデータ化と活用を通した地域課題解決の試み―「アーバンデータチャレンジ」を事例に2016

    • 著者名/発表者名
      瀬戸寿一・関本義秀
    • 雑誌名

      映像情報メディア学会誌

      巻: 70(6) ページ: 10-16

  • [雑誌論文] 地理空間情報のオープンな教育・研究イニシアティブ:Geo for ALL2016

    • 著者名/発表者名
      瀬戸寿一
    • 雑誌名

      地図

      巻: 54(4) ページ: 39

  • [雑誌論文] An Easy Infrastructure Management Method Using On-Board Smartphone Images and Citizen Reports by Deep Neural Network2016

    • 著者名/発表者名
      Maeda, H., Sekimoto, Y. and Seto, T.
    • 雑誌名

      Proceedings of the 2nd International Conference on IoT in Urban Space (Urb-IoT)

      巻: 2 ページ: 1-3 (PDF)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lightweight Road Manager: Smartphone-based Automatic Determination of Road Damage Status by Deep Neural Network2016

    • 著者名/発表者名
      Maeda, H., Sekimoto, Y. and Seto, T.
    • 雑誌名

      Proceedings of the 5th International Workshop on Mobile Geographic Information Systems (MobiGIS2016)

      巻: 5 ページ: 1-9 (PDF)

  • [学会発表] 災害に備えるための地図情報の役割2016

    • 著者名/発表者名
      西村雄一郎
    • 学会等名
      国立大学協会防災・日本再生シンポジウム 災害時における情報流通
    • 発表場所
      和歌山県立情報交流センター(Big・U)(和歌山県田辺市)
    • 年月日
      2016-12-11
    • 招待講演
  • [学会発表] 災害情報支援活動における地理空間情報の役割とデータ整備2016

    • 著者名/発表者名
      瀬戸寿一
    • 学会等名
      第25回地理情報システム学会研究発表大会
    • 発表場所
      立正大学(東京都品川区)
    • 年月日
      2016-10-15
  • [学会発表] オープンスマートシティの都市管理に向けた地理空間情報の活用2016

    • 著者名/発表者名
      瀬戸寿一
    • 学会等名
      第15回情報科学技術フォーラム
    • 発表場所
      富山大学五福キャンパス(富山県富山市)
    • 年月日
      2016-09-08
  • [学会発表] The Construction of Open Data Portal using DKAN for Integrate to Multiple Japanese Local Government Open Data2016

    • 著者名/発表者名
      Seto, T., Sekimoto, Y.
    • 学会等名
      FOSS4G Bonn 2016
    • 発表場所
      World Conference Center(ドイツ・ボン)
    • 年月日
      2016-08-23
    • 国際学会
  • [学会発表] 地理空間情報のオープンな教育・研究 イニシアティブ: Geo for Allの紹介2016

    • 著者名/発表者名
      瀬戸寿一
    • 学会等名
      日本地図学会平成28年度定期大会
    • 発表場所
      就実大学・就実短期大学キャンパス(岡山県岡山市)
    • 年月日
      2016-08-09
  • [図書] 『参加型GISの理論と応用~みんなで作り・使う地理空間情報』2017

    • 著者名/発表者名
      若林芳樹・今井修・瀬戸寿一・西村雄一郎編著
    • 総ページ数
      174
    • 出版者
      古今書院
  • [図書] Crisis Mapping Project and Counter-Mapping by Neo-Geographers, in Karan P. and Suganuma U. eds.: 『Japan after 3/11: Global Perspectives on the Earthquake, Tsunami, and Fukushima Meltdown』2016

    • 著者名/発表者名
      Seto, T. and Nishimura, Y.
    • 総ページ数
      496 (288-304)
    • 出版者
      University Press of Kentucky

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公開日: 2018-01-16  

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