研究課題/領域番号 |
15K03016
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
町田 宗博 琉球大学, 法文学部, 教授 (10145518)
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研究分担者 |
浜崎 盛康 琉球大学, 法文学部, 教授 (30208574)
金城 宏幸 琉球大学, 法文学部, 名誉教授 (50274874)
宮内 久光 琉球大学, 法文学部, 教授 (90284942)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 沖縄 / ウチナーンチュ / 沖縄県系 / 移民 / 文化共有集団 / 県人会館 / バスク / 日系 |
研究実績の概要 |
2017年11月に開催されたバスク文化フェスティバル(アルゼンチン・サンニコラス)においてバスク系移民にアンケート調査を行った。アンケートは95部回収できた。これらは、2015年度に「第7回国際バスク文化フェスティバル」で実施し2016年度に発行した中間報告書とあわせてまとめていく予定である。さらに、ブエノスアイレス市内で在亜沖縄県人会会長やラプラタ大学教授と沖縄系および日本系の移民に関する聞き取り調査を行ったうえで、日本移民資料館において移民関係資料の収集を行った。さらにハワイにおいてアイデンティティに関する聴き取り調査を実施した。 また、ブラジルサンパウロ市を中心に沖縄県系移民に関する資料収集を行った。この中で、ブラジルにおける第二次世界大戦後の沖縄救援運動に関する資料や、ブラジル初回笠戸丸移民の手紙を見つけた。これには移民母村の動向や、移民に対する母村からの要望が記され、これらが沖縄社会の文化的特質をも把握しうる資料であることがわかる。また、一般庶民と移民との関係を、庶民の言葉で表現した貴重な資料であると言える。さらに、ブラジルのジャーナリストとして知られたジョゼ山城氏関係の資料や、第二次世界大戦前・後にかけてマスコミ界でも知られ、ブラジル日本人社会の中で活躍した翁長助成氏の日記を発見できたことも大きな成果である。翁長助成氏宅は河川からの洪水の被害により、所蔵の資料を失ったと言われたきただけに、日記の発見は、今後のブラジル日系移民研究にたいへん貴重なものとなろう。さらに、アメリカの研究者ティグナー氏の1950年代のボリビアやブラジル移住地のカラー写真もこれまで未公表のものである。このほか、これまで未発見の戦前の「球陽協会」(現伯沖縄県人会)の会誌が見つかった。今回発見された資料は、日本移民研究や沖縄系移民社会の基礎資料といえ、今後の移民研究に多大に寄与するものである。
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