研究実績の概要 |
急速に変化するアジア、とりわけ長足の経済発展を遂げてきた東アジア(狭義の東アジアに東南アジアも含める)を地誌学としてどのように描写し解釈するのか。本研究は、東アジアの経済発展モデルやグローバル都市をめぐる議論を参照しながら、そこに経済面のみならず政治・社会面の要素を加えて今回の分析の視座を用意し、そこから東アジアの動態的な地誌を記述することを目的とする。 広州に関しては、別のプロジェクトとしてフィールドワークやワークショップを行うなどしているが、その成果は本研究にも関連している。平成28年度の北京における国際地理学会(The 33rd International Geographical Congress, Beijing,2016年8月21-25日.)で、“Development of a new city centre and functional changes of urban villages in Guangzhou, China”, を口頭発表した。その際の議論をも踏まえた論文を秋に執筆したが、それが収録される報告書は目下編集作業中である。また、それに引き続く江門の都市再開発に関する研究の中間報告を、12月に京都で開催されたワークショップで行っている. 香港に関しては、秋からサバティカルの期間であることを利用し、香港中文大学の中に置かれているUniversities Service Centre for China Studiesに滞在をして研究活動に専心する中で、香港の都市化のメカニズム、とりわけ土地の所有関係に関して注目をし、関連する資料を収集し、実際にいくつかのフィールドを観察した。 北京、上海、武漢、長沙、成都などの大都市にも関心を寄せた。別のプロジェクトではあるが、地名大事典の項目を執筆する過程で、武漢、長沙、成都などについて地誌的な記述を行った。それらが本研究にも大いに関係している。
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