近年、中国系企業の直接投資が増加する南部アフリカに注目し、新たな地域開発の担い手としての直接投資企業と受け入れる側の政策的受容を空間再編の観点から検討した。直接投資の受け皿としての経済特区開発の進展や、移民ビジネスの受け入れ先としての中国系モールの開発によって空間的再編が進んだ一方で過剰な投資は飽和と対立や撤退を招いており開発と同時並行する開発空間の空洞化も拡大している。受入国は既存の地域開発政策を堅持しながら中国系企業や移民ビジネスの包摂方法を模索しており空間政策の中国化転向の傾向はみられないものの新たなアクターとしての役割は認識されており、新しい地域開発の方向性が求められている。
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