2000年代以降、西部ドイツの大都市圏では選択的な再都市化プロセスが進行しており、住宅市場の緊張を招いている。本研究では、ハンブルク大都市圏内の性格の異なる地区を対象として、都市開発戦略や居住施策の特徴を比較検討した。その結果、(1)地区の特性に応じた施策(築造、誘導、規制)が適用されている点、(2)アフォーダブル住宅の供給が都心部の充填型開発のみならず、インナーシティにおいてもブラウンフィールドでの「三種混合モデル」の導入を通じて実施されていることが明らかとなった。こうしたハンブルクでの実践は、ドイツならびに先進工業諸国の他の大都市圏においても、その居住施策の方向性に示唆を与えるものである。
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