本研究では、東アジアにおける国境を越える地域間連携の実態とその要因を解明することとする。分析に際しては、2008年に策定された福岡・釜山超広域経済圏構想に着目し、企業・行政・民間レベルの国際交流が両都市間関係の構築にどのような影響を与えているのかを研究した。その結果、①行政レベルでの交流活動はもっとも積極的に展開されて、企業・行政・民間レベルでの交流促進に関する政策を展開していること、②行政レベルでの戦略と地元中小企業のグローバル戦略との間には、地域統合に関する食い違いがあること、③民間交流では、相対的に積極的に展開されており、地理的近接性が重要な要因であることが明らかになった。
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