研究課題/領域番号 |
15K03041
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
栗本 英世 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (10192569)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 年齢階梯制 / 分節国家 / 小政体 / 南スーダン / 政治人類学 |
研究実績の概要 |
4月に、ウガンダ北部と南スーダン南東部に関する人類学的研究の国際的な権威であるティム・アレン教授(ロンドン大学経済学院)と、東アフリカに関する医療人類学的研究で著名なメリッサ・パーカー博士(ロンドン大学衛生熱帯医学院)を招へいし、セミナーを開催するともに、情報交換と研究連絡を行った。研究代表者は、平成29年度にロンドンを訪問し、研究協力を継続することを確認した。 国際会議参加のため、12月にウガンダとケニアを訪問したときに、南スーダン人の調査協力者から集中的な聞き取りを行い、モニョミジ・システムの動態と、南スーダンの政治・社会的情勢に関する情報を収集し、討議した。研究協力者のシモン・シモンス博士(Pax Christi顧問、ナイロビ及びアムステルダム在住)と、電子メールで研究連絡を行った。研究協力者の村橋勲(大阪大学大学院)は、ウガンダの難民村とケニアの難民キャンプで、モニョミジ・システムを有する社会からの難民を対象とするフィールドワークを行い、モニョミジ・システムの歴史と再構築に関する調査を実施した。研究協力者のロベル・ハイレ・ゲブル(大阪大学大学院)は、エリトリア東部で、年齢組織と民族間関係に関するフィールドワークを実施した。 9月に首都大学東京で、モニョミジ・システムとゾミアをテーマとする集中講義を実施し、研究成果のとりまとめへのステップとした。 以上と並行して、分節国家論と首長制・王制に関する、及び南スーダンの地域研究に関する文献研究を継続した。 難民研究の論文集と文化人類学の教科書に分担執筆し、原稿を提出した(平成29年度出版予定)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
南スーダンの政情不安が継続し、現地でのフィールドワークを実施することはできなかった。しかし、これまでの人的ネットワークを活用し、主要インフォーマントと電子メールと電話による連絡を継続するとともに、ウガンダとケニアで聞き取り調査を実施し、モニョミジ・システムの動態に関する情報収集を達成することができた。 研究協力者や関係する研究者との連絡調整と研究打ち合わせは予定どおりに進行し、全体としておおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力者と主要インフォーマントとの連絡を続け、モジョミジ・システムの今日的動態に関する資料収集を継続する。これまで蓄積した研究成果を複数の論文にまとめ、学術雑誌に投稿する。ティム・アレン教授(ロンドン大学経済学院)、シモン・シモンス博士(Pax Christi)、フィリップ・オフヨロ講師(南スーダン、ジュバ大学)との研究連絡に基づき、本研究プロジェクトの成果のとりまとめに関する方法と内容を確定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
南スーダンの治安状況悪化のため、当初予定していた研究代表者の現地フィールドワークが実施できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度の旅費及び物品費に加算する。
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