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2017 年度 実施状況報告書

モニョミジ・システムの人類学的研究:南スーダンにおける小政体、民族間関係と国家

研究課題

研究課題/領域番号 15K03041
研究機関大阪大学

研究代表者

栗本 英世  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (10192569)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード年齢階梯制 / 分節国家 / 小政体 / 南スーダン / 政治人類学
研究実績の概要

6月にロンドンを訪問し、ウガンダ北部と南スーダン南東部に関する人類学的研究の国際的な権威であるティム・アレン教授(ロンドン大学経済学院)、紛争研究と平和構築研究で著名なデイヴィッド・キーン教授(ロンドン大学経済学院)、および南スーダンを対象に博士論文を執筆したばかりの人類学者ナオミ・ペンドル氏と情報交換と研究連絡を行った。
8月にはウガンダの首都カンパラとキリヤンドンゴ難民村で、南スーダン人難民たちから、モニョミジ・システムの歴史と動態について聞き取り調査を実施した。ケニアの首都ナイロビでは、研究協力者のシモン・シモンス博士(Pax Christi顧問)と研究連絡を行ない、元南スーダン共和国政府大臣のピーター・アドゥオク博士と南スーダンの政治・軍事情勢に関する情報交換を行った。ウガンダ・ケニアの帰路、9月にイギリスに滞在し、ウェンディ・ジェイムズ教授、ダグラス・ジョンソン博士、およびデイヴィッド・タートン教授と研究打ち合わせを行った。
研究協力者の村橋勲(学振PD研究員)は、ウガンダの難民村で、モニョミジ・システムを有する社会からの難民を対象とするフィールドワークを行い、モニョミジ・システムの歴史と再構築に関する調査を実施した。
以上と並行して、分節国家論と首長制・王制に関する、及び南スーダンの地域研究に関する文献研究を継続した。
分担執筆した難民研究の論文集と文化人類学の教科書が刊行された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

南スーダンの政情不安が継続し、現地でのフィールドワークを実施することはできなかった。しかし、これまでの人的ネットワークを活用し、主要インフォーマントと電子メールと電話による連絡を継続するとともに、ウガンダとケニアで聞き取り調査を実施し、モニョミジ・システムの動態に関する情報収集を達成することができた。
国内外の研究協力者や関係する研究者との連絡調整と研究打ち合わせは予定どおりに進行し、全体としておおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

研究協力者と主要インフォーマントとの連絡を続け、モジョミジ・システムの今日的動態に関する資料収集を完結する。これまで蓄積した研究成果を複数の論文にまとめ、学術雑誌に投稿する。そのひとつは、ロピット人のモニョミジ・システムに関する、研究協力者の村橋勲との英文共著論文である。ティム・アレン教授(ロンドン大学経済学院)、シモン・シモンス博士(Pax Christi)、フィリップ・オフヨロ講師(南スーダン、ジュバ大学)との研究連絡に基づき、本研究プロジェクトの成果のとりまとめに関する方法と内容を確定するとともに、今後の研究展開の方策についても協議する。

次年度使用額が生じた理由

本務校での用務のため海外出張期間が十分にとれず、次年度使用額が発生した。平成30年度の旅費及び物品費に加算する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 政治・紛争・暴力2018

    • 著者名/発表者名
      栗本英世
    • 雑誌名

      詳論 文化人類学

      巻: - ページ: 120~132

  • [雑誌論文] Negotiating Statehood: Handling the Crisis of South Sudan2017

    • 著者名/発表者名
      Samson Wassara, Eisei Kurimoto
    • 雑誌名

      African Virtues in the Pursuit of Conviviality

      巻: - ページ: 107~139

  • [雑誌論文] ナショナル・アイデンティティとパン・アフリカニズム――南部スーダン人にとっての意義2017

    • 著者名/発表者名
      栗本英世
    • 雑誌名

      ナショナル・アイデンティティを問い直す

      巻: - ページ: 341~384

  • [雑誌論文] ローカル/ナショナル/グローバルの往復運動ーー南スーダンの人類学的研究から見えてきたこと2017

    • 著者名/発表者名
      栗本英世
    • 雑誌名

      適塾

      巻: 50 ページ: 107~126

  • [雑誌論文] Anywaa2017

    • 著者名/発表者名
      Eisei Kurimoto
    • 雑誌名

      Ethiopis: History, Culture and Challenges

      巻: - ページ: 86

  • [雑誌論文] 難民を生み出すメカニズムーー南スーダンの人道危機2017

    • 著者名/発表者名
      栗本英世
    • 雑誌名

      難民問題と人権概念の危機

      巻: - ページ: 64~83

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公開日: 2018-12-17  

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