研究課題/領域番号 |
15K03058
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
山本 真鳥 法政大学, 経済学部, 教授 (20174815)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 文化人類学 / 太平洋諸島 / ニュージーランド / 現代アート / アイデンティティ / ポストコロニアル / 移民 / ポリネシア |
研究実績の概要 |
これまで入手した文献資料の整理にアルバイトを雇って作業してもらっていたが、作業をしていた人が体調を崩したために、未完のままとなってしまった。誰でもできる作業ではないので、自分ですることが必要となってきている。あと1/4ほどの作業が終わっていないが、終了後も私自身も作業をしないと終わらないというのが当初の予定であったから、現在完成まで1/3程度を残している。今後早急に作業する必要がある。また今回もフィールドワーク中に資料の収集を行っている。 5月20日~31日にグアムで開催した太平洋芸術祭に行き、インタヴューや参与観察を行った。美術部門アーティストの出展も多く、現況を見ることができた。太平洋諸島のアート活動の多くを概観することができた。 11月のアメリカ人類学会にて、「サモア人アイデンティティの葛藤するディスコース」と題した発表を行い、サモア人アーティストのアイデンティティの語りが、一般のサモア人のそれと異なっているという事実を抽出した後に、その原因を考察した。アーティストは、さまざまな文化の境界に立つことが多いので、多文化の中で自文化について客観的考察を行うこともでき、自らの文化的存在意義を考察する機会が多くあり、自文化に対して批判的になることも多いと論じた。 2月24日~3月19日に、ニュージーランド・オークランドで、太平洋系アーティストのアート活動の参与観察を行った。また、15人程度のアーティストに自由対話形式のインタヴューを行い、データ収集に努めた。今回はオークランド・ビエンナーレには思うほどの太平洋系アーティストの参加はなく、また、いつもと異なるスケジュールでパシフィカ・フェスティバルが行われたので観察ができなかったが、太平洋系アーティストの展覧会かいくつか行われ、興味深い観察を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データベースの作成に関して、作業をしてくれていた人の体調が悪く、継続は難しいということになり、この作業が遅れてきている。 また、山本自身が論文博士号を取得するための研究にかなりのエネルギーを裂いていたために、上記の遅れを取り戻すのが難しかった。博士号は首尾よく取得したので、今後は全エネルギーをこちらに回すことができる。
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今後の研究の推進方策 |
データベース完成を行う必要がある。また、29年2月~3月のフィールドワーク・面接のテープおこしを8月のはじめまでに行う予定である。 研究の進展については明るい見通しが持てる。というのは、先般のフィールドワークの際に、アーティストがどのような反応を示すか、インタヴューをいやがられたらどうしよう、と心配していたが、大変歓迎してくれて、インタヴューにすすんで応じてくれることが多かったので、今後の調査の見通しが明るくなっている。 8月~9月には、2週間程度の太平洋諸島在住アーティストに会いに行き、2月~3月にまたニュージーランドにて面接調査を行う。次回はオークランドだけでなく、ウェリントンも視野に入れたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
フィールド調査で生じたレンタカー代や図書費をカード決済したため、その決済日が次年度4月となる。実質的に既に使用したと同じである。
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次年度使用額の使用計画 |
既に、使用しており、次年度使用額とほぼ同じ額が決済される見込みである。
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