戦後の沖縄における米軍基地建設により強制移転した村落のその後の共同体の変化と祭祀ほか年中行事の変容を文化人類学的な視点より再考するものである。具体的には戦後、多くの村落面積を摂収された、沖縄本島の中部地区の村落を1強制移転村、2基地返還地の村落 3、基地に消えた村落を対象に、読谷村楚辺・宇座地区、北谷町砂辺・桑江地区への人類学的調査を実施した。調査項目は、自治会・郷友会の組織と活動、現在の年中行事、祭祀対象・聖地・墓、祭祀集団である。これらの分析の結果、従前の研究のシマの論理と伝統的な沖縄の社会学的解釈・分析概念を超えた人類学における基地問題と<越境><境界>による理解を可能とした。
|